100円ショップでも手に入る既製品の老眼鏡は、その価格もありお世話になっている方も多いです。

品質のムラ等使用に耐えないものも中にはありますが、きちんと手に取った上で見え方、装用感、何より使用者の必要とする度数に最適なものであれば既製品の使用自体は問題ありません。

しかし、価格が価格だけに目への負担を気にされる方も少なくありません。

販売店在籍時にも良く相談されました。

Q100円ショップの老眼鏡は度数の進行を早める原因になるのでしょうか?

最近老眼が進行していると感じています。

老眼鏡は100円ショップで購入したものを使用しています。

自分の知人・友人も同じような印象を持っているのですが、100円ショップなどの安い老眼鏡は老眼の進行を早めてしまうことはあるのでしょうか?

A老眼は目の老化現象ですので使用しているメガネの影響はありません

解説

近くが見づらくなる一番の原因は、眼球の中にある「水晶体」と呼ばれるレンズの役割をするところが弾力を失うことでピント合わせの機能が衰えることにあります。

cross-section

「水晶体」の弾力の衰え初めは20代でも確認され、近くのピント合わせに支障が出始める年齢が40代くらいなのが一般的です。

老眼の度数は継続的に進行する

老眼は近視などとは違い、加齢とともに進行していきます。

60代に入っても進行はあり、加えて将来的には白内障もほぼ全ての人がかかるといわれ、視力全体に影響していきます。

適切なメガネの使用は大前提ですが、年齢と共に必要となる老眼の度数は増えていきます。

老眼はメガネの品質に関わらず、ほぼすべての方に度数の進行があるのが事実です。

見え方には常に気を配り、必要に応じて適切な度数の老眼鏡を用意してあげるようにしましょう。

視力の確認は近距離用の視力表を用います。

市販もされていますのでご自宅での視力検査も可能です。

中村氏ひらかな万国式近点検査表(近距離視力表)

中村氏ひらかな万国式近点検査表(近距離視力表)

  • 半田屋商店
  • 価格¥ 3,980(2016/12/01 07:45時点)
  • 商品ランキング81,914位

近距離視力表を30cmの距離で見て、視力表にある0.7から0.8程度が両眼視で見えていればOKです。

0.8に書かれている文字自体は普段見る機会もないくらいの小さい文字ですが、これが見えないと老眼鏡としては役不足となります。

逆に、それ以上は見えていると過矯正気味か、その時点で使いづらく感じる老眼鏡になっている可能性があります。

既製品の老眼鏡が及ぼす目への悪影響

既製品の老眼鏡が度数の進行には影響がないのは述べましたが、使用する上で注意しておきたいこともあります。

度数の選定の問題

既製品の老眼鏡を使っている方の中にはご自身の見え方の確認のみで度数を選んで使用している方もいらっしゃるかと推測できますが、適正な度数でない場合、今後の視力の出方に悪影響を及ぼす恐れがあります。

実際に近くを見るのに視力必要な度数よりも多くの度数の物を使用してしまいますと、老眼鏡と同じ度数が必要になった時に充分な視力が得られないことがあります。

つまり、視力が出にくくなってしまう可能性がありますので、既製品を使用する場合でも販売店や眼科などで視力測定を行い適切な度数の物を使用するようにしましょう。

品質上の問題

格安な既製品の老眼鏡は品質にバラつきがある場合も多く、レンズの傾き具合などが歪んでいて、その見え方になれてしまうと、正常な向きのレンズで違和感が出てしまう場合があります。

フレームに使用されている素材によっては型くずれしやすい物もありますので丁寧な取り扱いを心がけましょう。

使用していて違和感を感じるようなら型くずれ等が原因の可能性があります。

すぐに使用を中止するようにしましょう。

まとめ

  • 100円ショップのメガネでも老眼の度数の進行には影響はない
  • 老眼は加齢とともに進行する
  • 使用する度数によっては視力に悪影響を及ぼす恐れはある
  • 度数の選定は販売店や眼科に依頼する