メガネを作り、いざ仕上がったメガネを掛けると見え方に違和感を覚えた経験をした方も少なくはないのでしょうか。

様子を見て慣らしながら使うべきか迷うところですが、度数の変更に伴う違和感は、その後の視生活にも悪影響を及ぼすこともありますのでしっかりと対処するべきです。

購入店舗に相談しても「まずは少し慣らしてみてください。」と対処を先延ばしにする傾向があります。

他の販売店に赴いて客観的なアドバイスを求める方もいらっしゃいます。

Q強めのメガネを使用していると近視の度数は進みますか?

少し見づらくなったメガネを先日作り直しました。良く見えるようにはなったのですが少し度数が強く感じます。

度数は左右とも1段ずつ上がりました。矯正視力は1.2が見えています。使用していると頭痛を覚えるのと若干ですがものが遠く感じるような遠近感の狂いがあります。

このまま度数の強いメガネを使用していると近視の度数は進んでしまう原因になるのでしょうか?

A度数の進行への影響は少ないですが視力や身体への悪影響はあります

解説

見え方重視の測定で結果的に強い度数になってしまったケースです。このまま使用する上での不安を、度数の進行を危惧する形で相談を受けました。

度数の進行の原因は目の大きさの変化によるものが大きい

度数が強いメガネを肯定する気はありませんが、度数の進行自体は外的な要因よりも目そのものの大きさや機能による部分が大きいのでさほど心配はしなくてもいいです。

度数の進行の要因に関してはこちらの記事をご覧ください。

しかし度数の進行への影響が少ないからと言ってこのまま掛けづらいメガネを使用するのはお勧めできません。

掛けづらいメガネは様々な悪影響がある

視力が得られている場合に多いのですが、メガネを掛けた時の違和感を許容してしまう方も多いですが、その違和感はメガネを掛けた時に目や身体に負担をかけ続けることになります。

頭痛などの体調異常

度数の強いメガネを使用して頭痛、肩こり、眼精疲労、吐き気などの症状を訴える方もいます。

近距離を見る際に目の負担になる

近視のメガネは基本遠くを見やすくするメガネですので手元を見る時は自身の調整力を使ってピント合わせをします。

度数が強い場合、その強い分、より多くの調整力を必要とします。目の疲れや頭痛の原因にもなります。

場合によっては負担がなるどころか手元が見づらい、すぐにピントが合わすことができないこともあります。

矯正視力が出にくくなる恐れ

これが一番深刻な問題で本来の適正な度数で矯正視力が出にくくなります。

視力はメガネを掛ければ必ず得られるものではありません。あくまで目の機能を補うものです。極力適切な度数で使用するようにしないと将来の視力まで保証されることはありません。

強く感じる度数はすぐにでも見直しをするべき

今回の質問者のケースでは、

  • 矯正視力で1.2が見える
  • 頭痛を覚える
  • 遠近感の狂い

3つとも典型的な過度数気味のメガネにある症状で、明らかに度数が入り過ぎと言えます。

無理に慣らす必要はありません。早急に度数の見直しを図るべきです。

「強め」のメガネはあり得ない

このサイトでもメガネの度数に関して「強め・弱め」と伝えやすく表現をしていますが、そもそも強めのメガネはあり得ません。

手元の見え方や掛けやすさを犠牲にして遠くが良く見えるのを納得して使うのはメガネの度数としては危険です。

まとめ

  • 外的な要因は視力低下への影響は少ない
  • 強めの度数のメガネは将来的に視力を得ることの妨げになる

たった1段の度数の変化でも掛けやすさ、使いやすさは大きく変わってしまします。良好な視力を得るだけでなく、掛けやすさを考慮した度数選定のできる測定士にメガネの作成は任せたいところです。