補聴器は買ってすぐに快適に使いこなせる訳ではありません。毎日の生活の中で少しずつ慣らしながら自分に合ったものにしていきましょう。
補聴器に慣れる方法
補聴器は購入した後に、毎日の生活の中で使い続けながら調整を重ねることで少しずつ慣れていき、ほんとうに自分に合ったものになっていきます。当然、今まで聞こえていなかったいろいろな音が聞こえてくるので、最初は違和感を覚えますが、だんだんと慣れていくものです。
慣れるまでの時間には個人差がありますが、一般的には、およそ1ヵ月程度で補聴器を通して聞こえる音になれると言われています。ここでは、購入後から徐々に補聴器に慣れていくためのプロセスについて紹介します。
補聴器に慣れるための練習方法
装用時間の目安
つけはじめた最初は、まず1時間程度つけるようにしましょう。いきなり長時間使用すると疲れてしまうので、最初は短時間だけ装用してみて、少し慣れてきたら、徐々に装用時間をのばしていきましょう。
購入後1~2週間目の練習方法
- 声に出して新聞を読む。
- 最初は自分の声の聞こえ方に少し違和感を覚えますが、徐々に慣れていくはずです。
- テレビのニュースや天気予報を聞いてみる
- 今までよりも小さな音量で聞き取れるかどうかを試してみましょう。(ドラマや娯楽番組などは、背景の音が多く、聞き取りにくい場合があります)
- 食器を洗う音、電話のベル、エアコンなどの生活音を聞いてみる
- 補聴器をつける前には聞こえていなかった家の中のさまざまな音が聞こえるかどうかを確かめてみましょう。
- 家族と会話をしてみる
- まずは静かな室内のなるべく近い距離で、相手方の話し声を聞き取る訓練をしましょう。
購入後3~4週間目の練習方法
- 散歩や買い物の時などに補聴器をつけたまま出かけてみましょう
- 車の音、街の雑踏など、自分の周りの音を聞いてみましょう。
- 職場や会合などで使用してみましょう。
- 大勢の人がいる場所で、人の声がきちんと聞き取れるか試してみましょう。
- 観劇や映画鑑賞など、少しずつ活動範囲を広げてみましょう
- いつもとは違う場所や興味のあるところ、また、聴力が低下し始めてから遠ざかっていた場所などにもどんどん足を運んで、聞くことを楽しむようにしましょう。
- 屋外や騒がしい場所でも使ってみましょう。
- 静かな場所だけでなく、背景でさまざまな音が飛び交っている場所でも会話をしてみましょう。屋外ではできるだけ話し相手と近付いて(1m以内)、聞き取る練習をするといいでしょう。
練習をしている間にも、どんな場所でどんな風に聞こえたのかをメモするなどして、販売店に行った時に気になる点を相談して、再調整してもらうようにしましょう。
以下のサイトでも関連情報が掲載されています
「補聴器に慣れる」 – ワイデックス株式会社[外部リンク]
「補聴器に慣れる訓練方法」 – 京都サンエイドラッグ相談薬局[外部リンク]
「補聴器になれるコツ」 – 宝石メガネ時計補聴器MURATA[外部リンク]
補聴器を使ってみましょう
補聴器をつけると、今まで聞き取りにくかったいろいろな音が聞こえるようになります。補聴器は、毎日の暮らしをより楽しくより快適にしてくれるツールなのです。家庭で、職場で、趣味の場で。補聴器との出会いが、これまでの生活を大きく変えてくれるかもしれません。
補聴器をいろいろな場面でどんどん使ってみましょう。そして、できるだけ早く毎日の暮らしに欠かせないパートナーにしましょう。
レストランでの友人とのおしゃべりで使ってみましょう。
レストランやカフェでは、大勢の人のおしゃべりの声や、店員さんが忙しく動き回る音、食器の当たる音などたくさんの音がしています。特に聴力が低下している場合は、そうした周囲にさまざまな騒音がある中で、言葉を聞き取るのはかなり難しいといえます。しかし、デジタル補聴器の多くは、周囲に騒音がある環境では雑音を抑えながら人の話し声をより聞き取りやすくする機能を搭載していますので、レストランのような騒がしい場所でも友人とのおしゃべりを楽しむことができます。
人と話をするのがおっくうになって友人と会う機会が減ってきてしまっていませんか。補聴器をつければ人と話をするのが楽しくなります。どんどん外出して、友人や仲間とのおしゃべりを楽しんでください。
デパートでのショッピングで使ってみましょう。
デパートやスーパーもたくさんの人が集まる場所です。デパートの店員さんと話をする時や、スーパーのレジで会計をする時などは、背景にいろいろな音がしているため、相手の話していることを聞き取りきくい場合があります。
デジタル補聴器をつければ、周りが騒がしくても相手の言っていることが聞き取りやすくなります。また、指向性という機能がついた補聴器であれば、背後の騒音を抑えて正面の声を聞きやすくしてくれ、こうした状況では特に効果を発揮します。補聴器をつけて、聞き返しや聞き逃しを気にすることなくショッピングを楽しみましょう。
職場で使ってみましょう。
会議など、複数の人が同時にいろいろな方向から話をするという状況では、聴力が低下した人は、話の内容を聞き取ることが非常に困難ですし、話を何とか聞き取ろうと神経を使うので、必要以上に疲れてしまいます。
こうしたケースもデジタル補聴器が得意とするところです。会議の際に補聴器をつければ、聞き取ることだけに神経を使う必要がなくなるので、会議の内容に集中することができます。
外出や旅行で使ってみましょう。
聴力が低下してくると、人の話を聞き逃したり、人と話をしていて聞き返したりすることが多くなってしまいます。そうなると、人と話をするのが面倒になったり、外出するのを避けて家に引きこもったりしがちになります。
補聴器をつけて、もっと家族や友人との外出や旅行を楽しみましょう。補聴器をつければ、旅行の大きな楽しみである訪れた土地の人たちとのおしゃべりも思う存分楽しむことができます。補聴器と一緒であれば、旅行の思い出もより一層素晴らしいものになるはずです。
映画やコンサートで使ってみましょう。
デジタル補聴器は、入ってきた音を多彩に加工し、より聞きやすい音を再現することができます。コンサート会場や映画館など、音を聞く環境が変化しても、常に安定した音の大きさや快適な音質を保ちます。
補聴器によっては、音楽を聞くために最適なプログラムを設定できる機能を搭載したものもあります。補聴器は、趣味の世界もこれまで以上に広げてくれるでしょう。
普段の生活で使ってみましょう。
何気ない毎日の生活でも補聴器の効果を実感することはできます。デジタル補聴器は、人の声を聞き取りやすくするだけではなく、身の回りの小さな音も聞こえるようにしてくれます。電話やインターホンの音はもちろん、小鳥のさえずり、後ろから近付いてくる車の音…。今まで聞こえていなかった音が聞こえてくると、暮らしにハリが出るだけでなく、毎日に新鮮な驚きを与えてくれるでしょう。