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Q&A

レンズについて

  • 強度の近視です|レンズの薄いメガネを作りたいです

    近視の度数の強い方は、薄型のレンズに予算を掛けても思ったような仕上がりになりづらいのは事実です。

    無意識的にフレームを選んでいる際にフレームに取り付けられているデモ用のレンズと同じかそれ以上の仕上がりを期待してしまうのは致し方ないところです。

    少しでもレンズの厚みを目立たせずに仕上がりを良くしたいところです。

    Qレンズが薄くきれいに仕上がっているメガネが欲しい

    左右度数が-6.00の強度の近視なんですが、お店で一番薄いプラスチックレンズでメガネを作ってもレンズの端の厚みは5ミリを超えると言われました。

    レンズにお金を掛けても薄く仕上げることはできないのでしょうか?

    Aレンズの厚みには限界がありますが、目立たなく仕上げる方法はあります

    解説

    近視-6.00の度数ですと現在販売されている薄型のレンズでもある程度の厚みにはご了解をいただくくらいの度数にはなります。

    販売員も仕上がり後の厚みの指摘を想定してか、度数がある方には目安となるレンズの厚みを事前に伝えている場合も多いです。

    その説明自体はネガティブな伝え方になってしまうのですが、フレームの選び方やレンズの仕上げで目立たなくすることはできます。

    フレーム選びを工夫してレンズの厚みを目立たなくする

    レンズの厚みを気にならないようにするにはフレーム選びから工夫をするようにしましょう。

    リムレスのフレームを避ける

    枠がないタイプのフレームはレンズの断面がそのまま見えてしまいますので、レンズの厚みを気にするなら避けるべきでしょう。

    枠ありのメタルフレームならレンズを挟み込む部分のフレームの幅が約2mmほどありますので5mmのレンズ厚が合っても、はみ出るのは3mm程度なら充分許容範囲になります。

    セルフレームで作成

    レンズの厚みを目立たなくするもっともポピュラーな方法です。

    5mm程度のレンズの厚みならフレームで隠れてしまいほとんど厚みを気にしないで済むでしょう。

    セルフレームは金属製のフレームに比べカジュアルな印象を持ちますが、落ち着いた色味のフレームならスーツなどのフォーマルな服装にも合います。

    フレームのレンズの横幅のサイズを小さいものにする

    レンズの大きいフレームよりも小さいフレームの方がレンズの厚い部分を削り落としてしまうことができますので顔、頭のサイズに合わせた小さ目のレンズのフレームを選ぶようにしましょう。

    レンズのサイズが小さい物が似合わない人でも、フレーム横の張り出し感のあるフレームを選ぶと、顔に対しておさまりもよく、知的な印象にもなります。

    レンズでの工夫

    予算の許す限り薄型のレンズでメガネを作るのはもちろんですが、レンズでも厚みを目立たなくする工夫ができます。

    レンズの面取りを大きくしてもらう

    フレームに合わせて削り出したレンズの断面は角を落とすように面取りをしています。

    面取りの大きさは加工する人によっても様々ですが、大き目に面取りをしてもらうことで横からみたレンズの厚みを目立たなくすることができます。

    ただこの面取りは注意しないといけないこともあるのですが、大きく面取りをした場合、正面から見ると面取りをした部分が映り込みます。

    面取りした面にはレンズに施されているコーティング類も当然ありません。

    面取りをしてもらった場合は断面を軽く磨いてもらった方がキレイですので面取りと一緒に艶出しの確認をするようにしましょう。

    薄くするためだけにガラスレンズを選択するのはお勧めできない

    レンズの薄さを追求するとガラスレンズを選択肢にすることもありますが、薄くするだけの目的でガラスレンズで作成するのはお勧めできません。

    高屈折率のガラスレンズはとても重い

    プラスチックレンズにも言えることですが、レンズの屈折率が高くなると素材の比重が大きくなります。

    高屈折率のガラスレンズは薄くなってもそれを相殺できないくらい重くなります。

    鼻や耳にかかる負担は大きくなり、鼻には跡がついてしまい、女性の方は特に想定しないことにもなってしまいます。

    プラスチックレンズとの見え方の差

    プラスチックレンズとガラスレンズはそもそも見え方の印象が異なります。

    レンズの持つ見え方の性能は実はガラスレンズの方が良く、ガラスレンズを使用していた方がプラスチックレンズを使用しますと違和感を覚えることが多いです。

    ガラスレンズの使用者・種類が少ない

    ガラスレンズはプラスチックレンズを含めたレンズの販売数で5%ほどしかなく使用している人が少ないのが現状です。

    ニーズの問題もありガラスレンズは種類がとても少なく、レンズ選びの選択肢を少なくしてしまいます。

    まとめ

    • フレームのタイプ・素材・サイズを工夫する
    • レンズの面取りを相談する
    • 薄くする理由だけで極力ガラスレンズの選択は避ける

    レンズ自体を薄くすることは叶わない場合もありますが、フレームを工夫することで厚みは目立たなくすることは充分に可能です。

    度数の強い方の悩みを解決するような、より薄型の画期的なレンズの登場を期待したいですね。

  • 遠近両用メガネを作る際に計測するアイポイント(EP)の重要性を知る

    使いやすい遠近両用メガネを作る上で重要となる要素はたくさんあり、その一つでも欠けてしまうと当然使いやすいメガネにはなりません。

    遠近両用メガネを作る際に測定する「アイポイント」もそのうちの一つで、購入者(使用者)がアイポイントがどういったものなのかを知っておくことは、使いづらい遠近両用メガネが出来上がってしまうことを防ぐことになります。

    頭の片隅に残る程度で構いませんのでアイポイントについて知っておきましょう。

    アイポイント(EP)とは

    eye-point

    Original photo by Ansel Edwards

    アイポイントとは遠近両用を作る際に使用するフレームを掛けた際に目の位置がどこにくるかを測定したものです。

    画像のように黒目の中心が来る位置を確認します。

    このアイポイントを基準にしてレンズを加工しフレームに収めるために使用します。

    アイポイントの測定方法

    アイポイントの測定はシンプルな方法ですと、メガネの使用者にフレームを掛けてもらい、向かい合った状態で目の位置をサインペンなどで直接黒目の中心をフレームについているデモ用のレンズに書き込んでとります。

    測定自体は簡単ですが、事前にフレームの調整、フィッティングをしておく必要があるのと、レンズを入れる際にフレームの上端、下端からアイポイントまでの距離に推奨される値がありますので、必要に応じてフレームを再調整してアイポイントも再測定する必要があります。

    また、メーカーが用意しているシール状のシートをレンズに貼りつけてアイポイントの確認やフレームの調整を行います。

    アイポイントの重要性

    現在主流の遠近両用のレンズは累進設計という複雑な設計を用いてできています。

    遠くを見るために必要な度数と、近くを見るのに必要な度数がレンズの上下に配置されていて、その間は徐々に各々の度数になるように度数に変化がつけられています。

    言い換えると、累進設計の遠近両用のレンズは均一な度数が施されているわけではありませんので、使用者がメガネを使用した際に、レンズのどの部分を通して見ているかで得られる視力が変わることになります。

    極端な例ですと、遠くが見やすいところで手元を見ようとしても近くにはピントが合いませんし、その逆も同様です。

    車の運転も可能な遠くの視力から、読み書きができる近くの視力までを得ることができる遠近両用のレンズの仕組みを最大限に生かすためには、使用者が選んだフレームを掛けたときの目の位置を基準にしてレンズを加工してフレームに収めてあげる必要性があります。

    アイポイントの測定はミリ単位の正確さが求められるといっても過言ではありません。

    アイポイントの測定をしなかった場合

    アイポイントの測定自体は販売店側が遠近両用を作成する際に行う必須の工程となりますが、購入者側でもアイポイントの測定がされたかどうか確認するくらいの予防が必要になります。

    販売店勤務時代にもスタッフが測定を忘れてしまうケースは実際にありました。

    その場合、お客様宅にお伺いして測定したり、大変申し訳ないのですがフレームの調整で設備が必要な場合など再度来店して頂いた上で測定をおこなっていました。

    それくらいアイポイントの測定は重要ということです。

    また必須の工程を忘れるということはアイポイントの測定を軽視しているとも取れなくはないですので、そのような販売店でないかどうか自衛の意味も含め購入者側でもチェックするのを推奨します。

    遠近両用メガネの型崩れに注意

    遠近両用のメガネが型崩れした場合、そのまま見え方にも大きな影響が出る場合があります。

    メガネがずれ落ちるような場合、レンズが目に対して下に下がることになりますので手元の視力が得られなくなります。

    メガネ全般にいえることですが、ぶつかってしまった時などはもちろん、メガネの掛け外しの際に余計な力が加わり型崩れの原因にもなります。

    丁寧な掛け外しを心掛け、見え方に違和感を感じたり、メガネがゆがんでいたり、曲がっているなど型崩れしているのに気付きましたら早急に販売店などで調整をしてもらうようにしましょう。

    型崩れの調整は費用が掛からずに対応してくれる販売店がほとんどです。

    まとめ

    • フレームを掛けた際の黒目の位置をアイポイントという
    • 遠近両用をはじめとした累進レンズの使用の際はアイポイントがとても重要になる
    • 購入時、アイポイントの測定が丁寧に行われているか購入者側でもチェックを推奨
    • メガネの使用時に目とレンズのアイポイントの位置に相違があると見え方に影響する

    遠近両用メガネの使用者からすると無意識的に快適に使用できるのが理想ではありますが、アイポイントの重要性を理解することで、より失敗しない遠近両用メガネの作成や使用に生かせることになります。

     

老眼について

  • 老眼鏡の度数測定|きちんと視力検査して作るべき?

    老眼鏡は雑貨店やスーパーなどで既製品を簡単に手に取ることができ、近くが見づらい自覚症状がある方なら試しに見え方を確認してみたり、安価なものならジュースを買うような感覚で購入する人もいることでしょう。

    試しに掛けてみて、見え方が裸眼と比べて良いようなら、それで済ましてしまう場合もあるかと思いますが、全てのメガネに言えることでもありますが、その時の目の状態に合わせて視力測定をして最適な度数で使用するようにしましょう。

    Q老眼も近視と同様、視力をちゃんと測ってもらって作った方がいいのでしょうか?

    近くが見づらくなり、老眼を自覚しております。

    既製品の安い老眼鏡を試しに買って使ってはいますがイマイチです。

    常用ではありませんが近視のメガネは作成して使っています。

    老眼鏡もきちんと測ってつくるべきでしょうか。

    A視力測定をして近くを見るのに適した度数を把握しましょう

    解説

    既製品の限られた度数の中から選ぶのではなく、まずは視力測定をして現在の目の状態で近くを見るのに適切な度数を知り、その上で既製品も含めて購入を検討するようにしましょう。

    既製品の一番弱い度数でも強すぎる可能性がある

    一般的に既製品の老眼鏡の度数の低いものは+1.00の度数のものが多いですが、視力測定の経験上、メガネを常用しない、もしくは使用していない方が老眼の自覚症状が出始めた時点では+1.00の度数でも過度に度数が入り過ぎになる場合が多いです。

    +0.50や+0.75の度数が最適の場合、+1.00の既製品で代用するのはおすすめできません。

    なにより見え方のピントが合いづらかったり、すぐに疲れや違和感を覚えることになります。

    ご質問者のような弱度の近視の方の初めての老眼鏡ならほぼ確実に+1.00では過度数になると推測されます。

    メガネを掛けた時に手元が見づらいのなら遠近両用を検討するべき

    近視矯正用のメガネを使用時には確実に手元は見づらいはずですので、メガネ使用時に不便に感じるのなら遠近両用メガネの作成を検討しましょう。

    手元に必要な度数が少なく済むようなら、遠近両用でよく聞くような「揺れや歪み」をほぼ感じずに、今までのメガネと同じような使い方でも手元の視界が確保できるようになります。

    メガネの使用頻度、使用状況を伝えて販売店で相談してみましょう。

    まとめ

    • 老眼鏡も含めメガネは度数選定の上で最適な度数で作るべき
    • 遠用のメガネの使用時に手元が見づらいなら遠近両用も検討

    メガネは適切な度数で使用するようにしましょう。

     

  • 100円ショップの老眼鏡は度数の進行を早めてしまうのでしょうか?

    100円ショップでも手に入る既製品の老眼鏡は、その価格もありお世話になっている方も多いです。

    品質のムラ等使用に耐えないものも中にはありますが、きちんと手に取った上で見え方、装用感、何より使用者の必要とする度数に最適なものであれば既製品の使用自体は問題ありません。

    しかし、価格が価格だけに目への負担を気にされる方も少なくありません。

    販売店在籍時にも良く相談されました。

    Q100円ショップの老眼鏡は度数の進行を早める原因になるのでしょうか?

    最近老眼が進行していると感じています。

    老眼鏡は100円ショップで購入したものを使用しています。

    自分の知人・友人も同じような印象を持っているのですが、100円ショップなどの安い老眼鏡は老眼の進行を早めてしまうことはあるのでしょうか?

    A老眼は目の老化現象ですので使用しているメガネの影響はありません

    解説

    近くが見づらくなる一番の原因は、眼球の中にある「水晶体」と呼ばれるレンズの役割をするところが弾力を失うことでピント合わせの機能が衰えることにあります。

    cross-section

    「水晶体」の弾力の衰え初めは20代でも確認され、近くのピント合わせに支障が出始める年齢が40代くらいなのが一般的です。

    老眼の度数は継続的に進行する

    老眼は近視などとは違い、加齢とともに進行していきます。

    60代に入っても進行はあり、加えて将来的には白内障もほぼ全ての人がかかるといわれ、視力全体に影響していきます。

    適切なメガネの使用は大前提ですが、年齢と共に必要となる老眼の度数は増えていきます。

    老眼はメガネの品質に関わらず、ほぼすべての方に度数の進行があるのが事実です。

    見え方には常に気を配り、必要に応じて適切な度数の老眼鏡を用意してあげるようにしましょう。

    視力の確認は近距離用の視力表を用います。

    市販もされていますのでご自宅での視力検査も可能です。

    中村氏ひらかな万国式近点検査表(近距離視力表)

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    • 商品ランキング81,914位

    近距離視力表を30cmの距離で見て、視力表にある0.7から0.8程度が両眼視で見えていればOKです。

    0.8に書かれている文字自体は普段見る機会もないくらいの小さい文字ですが、これが見えないと老眼鏡としては役不足となります。

    逆に、それ以上は見えていると過矯正気味か、その時点で使いづらく感じる老眼鏡になっている可能性があります。

    既製品の老眼鏡が及ぼす目への悪影響

    既製品の老眼鏡が度数の進行には影響がないのは述べましたが、使用する上で注意しておきたいこともあります。

    度数の選定の問題

    既製品の老眼鏡を使っている方の中にはご自身の見え方の確認のみで度数を選んで使用している方もいらっしゃるかと推測できますが、適正な度数でない場合、今後の視力の出方に悪影響を及ぼす恐れがあります。

    実際に近くを見るのに視力必要な度数よりも多くの度数の物を使用してしまいますと、老眼鏡と同じ度数が必要になった時に充分な視力が得られないことがあります。

    つまり、視力が出にくくなってしまう可能性がありますので、既製品を使用する場合でも販売店や眼科などで視力測定を行い適切な度数の物を使用するようにしましょう。

    品質上の問題

    格安な既製品の老眼鏡は品質にバラつきがある場合も多く、レンズの傾き具合などが歪んでいて、その見え方になれてしまうと、正常な向きのレンズで違和感が出てしまう場合があります。

    フレームに使用されている素材によっては型くずれしやすい物もありますので丁寧な取り扱いを心がけましょう。

    使用していて違和感を感じるようなら型くずれ等が原因の可能性があります。

    すぐに使用を中止するようにしましょう。

    まとめ

    • 100円ショップのメガネでも老眼の度数の進行には影響はない
    • 老眼は加齢とともに進行する
    • 使用する度数によっては視力に悪影響を及ぼす恐れはある
    • 度数の選定は販売店や眼科に依頼する
  • 近くが見づらいです|視力検査では1.5でも老眼になるのでしょうか?

    40代以降、これまでメガネと無縁の方であってもメガネのお世話になることになります。

    近距離にピントを合わせる目の機能が衰えてきてメガネの力を借りないと、近くの物がぼやけてしまいます。

    「老眼(老視)」という言葉はご存知の方も多いですが、今まで目が良かった方は目やメガネに関する知識が皆無の方も多いのではないでしょうか。

    老眼に関することを中心に基本的な目と視力とメガネの基礎的なことを相談されることも多いです。

    Q40代です。視力検査では毎回1.5見えているのに老眼なるのでしょうか?

    若い時から視力検査では1.5以上見えていたのですが、最近近くがとても見づらくなってきてしまいました。

    50cmほど腕を伸ばして離さないと文字が読めません。

    目だけには自信があっただけにとてもショックです。

    A老眼の自覚症状の可能性が高く40代以降全ての方に訪れる現象です

    解説

    「視力が1.5」とありますが、一般的な視力測定の検査結果であり、この視力は「遠くを見るための視力」です。

    「近くが見づらい」とありますが、この「近くがどれだけ見えるか」を測定する近距離の視力検査もあります。

    この「遠く」と「近く」の視力は1つの測定方法では図ることができません

    「近くがどれだけ見えるか」の視力検査は学校や会社の健康診断などでは実施されることはなく、視力検査=「遠く」の視力検査となっているのが実情で、「遠く」以外の視力にも測定方法があることはあまり知られてません。

    「視力」とは目が物を見る度合いを示す能力のことを言いますが、視力は細分化され、「動体視力」や「裸眼視力」、「深視力」など中には聞いたこともあるものもあるのではないでしょうか。

    ご質問の中では2つの視力が出てきています。

    遠見視力

    「えんけんしりょく」と読みます。質問にある「視力が1.5」というのは「遠見視力」といい、一般的な視力表を用いた検査で測定されるものです。

    単純に遠くの物がどれだけ見えるかを示す視力ですが、視力検査時には目の調整力を働かせず(一生懸命に見てはいけない)に測定しないと正確な結果にはなりません。

    近見視力

    「きんけんしりょく」と読みます。文字の通り近くがどれだけ見えるかを示す視力です。

    視力測定は一般的な視力表とは別の近距離視力表を用いて検査します。

    視力検査時に視力表を見る距離も30cmとなり遠見視力の検査とは全く別のものとなります。

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    近見視力の検査を受けましょう

    「50cmほどに離せば見える」とのことですので、老眼の初期症状で間違いはないかと推測できますが、ほかの理由でも近くが見づらい原因がある場合がありますので、最寄りのメガネ販売店や眼科などで近見視力の視力測定を受けるようにしましょう。

    弱度の遠視・乱視の可能性

    視力自体は1.5と充分な視力は得られていますが、目そのものに屈折異常がないとは限りません。

    1.5程度の視力が出ていると近視の可能性はほぼないですが、「遠視」の度数を持った目の可能性もあります。

    「遠視」の目の状態は上で述べた「遠見視力」に影響するものですが、症状として手元を見る時に負担になりやすかったり、眼精疲労や肩こり、頭痛などの原因にもなります。

    また、弱度の「乱視」でも近くが見づらい症状を訴える方もいます。

    「乱視」が原因の場合は「離して見ても」見えやすくはなりませんので、この場合の原因としては「遠視」の方が大きいです。

    まとめ

    • 遠見視力と近見視力はそれぞれの検査方法がある
    • 遠見視力が良好でも近見視力がいいとは限らない
    • 遠くが見えてる人ほど老眼の自覚症状が出やすいとも言える

     

  • 自覚しにくい?|近視の老眼の見え方

    「近視の人は老眼になりにくい」と耳にすることがありますが、老眼は全ての人に訪れます。

    近視の方は老眼の自覚症状に気づきにくい為に、既に老眼であっても老眼と認識していないことがあります。

    すでに老眼を自覚している(=近視ではない)身近な人から老眼の知識や情報を得ることで、誤った解釈や誤解をされている方も多いです。

    Q近視の目が老眼になるとどのような見え方になるのでしょうか?

    老眼は近くの物が見えなくなり少し離すと見えるということは、老眼になると近くが見づらくなり遠くが見えるということでしょうか?

    それとも近視の場合、遠くも近くも見えなくなってしまうのでしょうか?

    A近視を矯正したメガネを掛けた時、近くが見づらいのが老眼の症状です

    解説

    一般的な視力測定で測る遠くを見る部分の視力は変わらず、近くにピントを合わせる目の機能の低下を老眼(老視)と言います。

    よくある誤解として、近くが見づらくなった時から全ての視力の状態を「老眼」と誤解をしている方が多いです。

    近視の方の老眼はメガネを外すことで近くが見える

    近視のメガネを常用している方だと分かり易いのですが、すでに老眼の場合、メガネを掛けて遠くが見えている状態で、そのまま近くを見た時に見づらいはずです。

    ところがメガネを外すと遠くは見えなくなりますが、近くはメガネを掛けている時ほど見づらくないはずです。

    これが自覚症状をあいまいにしてしまう理由です。

    メガネを外した時が擬似的に老眼鏡を掛けている状態

    老眼鏡は近視のメガネと違い、近くにピントが合うように度数を選定していますので、そのまま老眼鏡を掛けたままでは遠くは見えません。

    近視の方がメガネを外した状態と同じような状態になります。

    老眼でなければ近くも遠くも見えるはず

    近視のメガネは遠くを良く見えるようにするために使用するものですが、適切な度数であれば遠くが充分に見える状態で近くも見えていたはずです。

    老眼でなければ、近視のレンズの効果で遠くにピントが合っている状態でも、ご自身の目の調整力で負担なく近くにピントを合わせることができます。

    まとめ

    • 近くのピント合わせがうまくいかない症状を老眼という
    • 近視の老眼の場合、メガネを使用した状態で近くが見づらくなる
    • メガネを外すことで近くが見えてしまうのが自覚症状をあいまいにしている

    近視の、特に常用している方が近くにピントが合いにくいと感じましたら、老眼鏡ではなく遠近両用を検討するようにしましょう。

  • 眼鏡を掛けたままサウナに入ってしまった|お風呂用メガネで解決

    裸眼視力が0.1以下の方にとっては日々のお風呂も悩ましい問題になります。勝手知ったる自宅の浴室ならまだしも、出先のお風呂ではメガネを外して入浴すると視界が得られず足元が見えずに移動しづらかったり、シャンプーやボディーソープの判別にも難儀してしまいます。

    また、旅館やホテルではせっかくの露天風呂からの景色も楽しめないのは旅行の楽しみを1つ減らしてしまうことになります。

    メガネやコンタクトの温泉やサウナでの使用は、メガネを痛めてしまう要因がいくつもありますのでメインで使用しているものの使用は避けた方が良いです。

    近年はお風呂での使用のニーズに応えるように価格も手ごろな「お風呂用メガネ」も商品化されています。

    耐熱性に優れた素材でできているのでサウナでの使用も可能です。

    「お風呂用メガネ」のレンズはあらかじめ熱や湯気に強い素材で度数が入れられていますので、ご自身の目の状態に合わせた度数の選択方法を合わせて解説します。

    まずは普段使用しているメガネでサウナを利用してしまった方のトラブル解決から紹介します。

  • 遠近両用メガネが合わない|症状別の対処方法

    仕上がった遠近両用メガネが使いづらい、なかなか慣れることができない悩みは数多くあります。

    快適な視力を視力を得られるかどうかは仕事や生活にも直結してきますのですぐにでも改善したいものです。

    遠近両用メガネが合わないと感じてる方が訴える症状別に改善策を解説していきます。

    解説するにあたって、アイポイント加入度数累進長帯などの専門用語が出てきます。

    これらの遠近両用に関する用語は別記事で解説していますのでご存じでない方はご参照くださいませ。

     

     

近視について

  • 近視のメガネ|目が小さく見えるのを改善したい

    メガネの近視のレンズは、レンズ越しに映るものを小さくしてしまいます。

    顔の輪郭のラインがずれたり、目が小さくなることに多くの人が同じ悩みを抱えています。

    レンズの特性上、小さくなることをなくすことは難しいですが、対策が全くないわけではありません。

    販売店在籍時の相談される回数の多い内容です。

    Q強度の近視なんですが目が小さくならないメガネが欲しいんです。

    普段はメガネを掛けているのですが、ふとした時にメガネを外すと別人のようだと言われたりします。

    メガネ越しの顔のラインが崩れるのも気になります。

    顔が歪むことの無い、もしくは歪みが目立たないメガネはありませんか?

    Aレンズの効果で目が小さくなるのは避けられません

    解説

    近視のレンズはレンズ越しに映るものを小さくしてしまうのは上で述べましたが、レンズの度数が強くなればなるほど、更に小さく映るようになります。

    レンズの特性上無くすことは難しいですが、可能な限りの対策法を載せます。

    高性能薄型レンズを使用する

    予算は掛かりますが、標準的なレンズよりも薄型のレンズの方が歪みは少なくなります。

    • 球面設計レンズより非球面設計のレンズにする
    • 非球面設計レンズより両面非球面レンズを選ぶ
    • 屈折率の高い(数字が大きい)レンズを使用する

    両面非球面設計の高屈折レンズを使用することが少しでもレンズの歪みの効果を抑えることになります。

    フレームを工夫する

    フレーム選びもメガネの仕上がりに影響します。

    予算に左右せずに対策することができます。

    セルフレームで作成する

    厳密に言いますとセルフレームでなくてもよいのですが、セルフレームの多くは独立した鼻のパッドが無いものが多く、メガネを掛けた時により顔に密着させることができます。

    レンズを顔に近づけることで目が小さくなることを抑えることができます。

    ※レンズが顔によることで厳密にはレンズの度数の効果が高くなります。

    人によってはメガネが強く感じたり、頭痛などを覚える場合もありますのでセルフレームの使用が初めての方や、鼻のパッドの調整で顔に近づける場合は注意が必要です。

    レンズサイズの小さいフレームを選ぶ

    レンズは中心に焦点があり、外側にいくにつれて歪みが出ますので、なるべく小さく削ることで顔の輪郭が歪むのを軽減できます。

    近視のレンズの場合、レンズの厚みも目立たなくなりますので、見え方、仕上がりとも良くなり一石二鳥です。

    意識して小さ目のレンズにする場合はレンズの横幅が小さい物にするのが効果的です。

    サイズが小さすぎて顔に合わず似合わないものでは本末転倒ですからご家族、友人、販売店のスタッフにもアドバイスをもらって選ぶようにしましょう。

    コンタクトレンズを使用する

    メガネではなくなってしまうので質問に答えていることにはならないのですが、メガネ使用時の顔の歪みや目の大きさが気になるくらいの度数の方はコンタクトレンズの見え方の方がより自然で良好な視界を得られる場合が多いです。

    体質などでコンタクトの使用条件、種類は変わりますので眼科に相談の上購入を検討するようにしましょう。

    伊達メガネ+コンタクトレンズ

    メガネを使用したい場合、コンタクトで視力を得て、度数の無いメガネを装用することも選択肢の一つです。

    度数の無いレンズは顔の輪郭をゆがませることもありません。

    回りくどい方法のようですが、実際にこの方法で使用している人も意外といます。

    まとめ

    • 近視のレンズの特性上、目が小さくなることは避けられない
    • レンズ・フレーム選びを工夫することで多少対策できる
    • コンタクトの使用も検討する

    フレーム選びを工夫することは予算に影響は少ないのでお勧めです。

  • 強度の近視です|レンズの薄いメガネを作りたいです

    近視の度数の強い方は、薄型のレンズに予算を掛けても思ったような仕上がりになりづらいのは事実です。

    無意識的にフレームを選んでいる際にフレームに取り付けられているデモ用のレンズと同じかそれ以上の仕上がりを期待してしまうのは致し方ないところです。

    少しでもレンズの厚みを目立たせずに仕上がりを良くしたいところです。

    Qレンズが薄くきれいに仕上がっているメガネが欲しい

    左右度数が-6.00の強度の近視なんですが、お店で一番薄いプラスチックレンズでメガネを作ってもレンズの端の厚みは5ミリを超えると言われました。

    レンズにお金を掛けても薄く仕上げることはできないのでしょうか?

    Aレンズの厚みには限界がありますが、目立たなく仕上げる方法はあります

    解説

    近視-6.00の度数ですと現在販売されている薄型のレンズでもある程度の厚みにはご了解をいただくくらいの度数にはなります。

    販売員も仕上がり後の厚みの指摘を想定してか、度数がある方には目安となるレンズの厚みを事前に伝えている場合も多いです。

    その説明自体はネガティブな伝え方になってしまうのですが、フレームの選び方やレンズの仕上げで目立たなくすることはできます。

    フレーム選びを工夫してレンズの厚みを目立たなくする

    レンズの厚みを気にならないようにするにはフレーム選びから工夫をするようにしましょう。

    リムレスのフレームを避ける

    枠がないタイプのフレームはレンズの断面がそのまま見えてしまいますので、レンズの厚みを気にするなら避けるべきでしょう。

    枠ありのメタルフレームならレンズを挟み込む部分のフレームの幅が約2mmほどありますので5mmのレンズ厚が合っても、はみ出るのは3mm程度なら充分許容範囲になります。

    セルフレームで作成

    レンズの厚みを目立たなくするもっともポピュラーな方法です。

    5mm程度のレンズの厚みならフレームで隠れてしまいほとんど厚みを気にしないで済むでしょう。

    セルフレームは金属製のフレームに比べカジュアルな印象を持ちますが、落ち着いた色味のフレームならスーツなどのフォーマルな服装にも合います。

    フレームのレンズの横幅のサイズを小さいものにする

    レンズの大きいフレームよりも小さいフレームの方がレンズの厚い部分を削り落としてしまうことができますので顔、頭のサイズに合わせた小さ目のレンズのフレームを選ぶようにしましょう。

    レンズのサイズが小さい物が似合わない人でも、フレーム横の張り出し感のあるフレームを選ぶと、顔に対しておさまりもよく、知的な印象にもなります。

    レンズでの工夫

    予算の許す限り薄型のレンズでメガネを作るのはもちろんですが、レンズでも厚みを目立たなくする工夫ができます。

    レンズの面取りを大きくしてもらう

    フレームに合わせて削り出したレンズの断面は角を落とすように面取りをしています。

    面取りの大きさは加工する人によっても様々ですが、大き目に面取りをしてもらうことで横からみたレンズの厚みを目立たなくすることができます。

    ただこの面取りは注意しないといけないこともあるのですが、大きく面取りをした場合、正面から見ると面取りをした部分が映り込みます。

    面取りした面にはレンズに施されているコーティング類も当然ありません。

    面取りをしてもらった場合は断面を軽く磨いてもらった方がキレイですので面取りと一緒に艶出しの確認をするようにしましょう。

    薄くするためだけにガラスレンズを選択するのはお勧めできない

    レンズの薄さを追求するとガラスレンズを選択肢にすることもありますが、薄くするだけの目的でガラスレンズで作成するのはお勧めできません。

    高屈折率のガラスレンズはとても重い

    プラスチックレンズにも言えることですが、レンズの屈折率が高くなると素材の比重が大きくなります。

    高屈折率のガラスレンズは薄くなってもそれを相殺できないくらい重くなります。

    鼻や耳にかかる負担は大きくなり、鼻には跡がついてしまい、女性の方は特に想定しないことにもなってしまいます。

    プラスチックレンズとの見え方の差

    プラスチックレンズとガラスレンズはそもそも見え方の印象が異なります。

    レンズの持つ見え方の性能は実はガラスレンズの方が良く、ガラスレンズを使用していた方がプラスチックレンズを使用しますと違和感を覚えることが多いです。

    ガラスレンズの使用者・種類が少ない

    ガラスレンズはプラスチックレンズを含めたレンズの販売数で5%ほどしかなく使用している人が少ないのが現状です。

    ニーズの問題もありガラスレンズは種類がとても少なく、レンズ選びの選択肢を少なくしてしまいます。

    まとめ

    • フレームのタイプ・素材・サイズを工夫する
    • レンズの面取りを相談する
    • 薄くする理由だけで極力ガラスレンズの選択は避ける

    レンズ自体を薄くすることは叶わない場合もありますが、フレームを工夫することで厚みは目立たなくすることは充分に可能です。

    度数の強い方の悩みを解決するような、より薄型の画期的なレンズの登場を期待したいですね。

  • 強めのメガネを使うと近視の度数は進んでしまうのでしょうか?

    メガネを作り、いざ仕上がったメガネを掛けると見え方に違和感を覚えた経験をした方も少なくはないのでしょうか。

    様子を見て慣らしながら使うべきか迷うところですが、度数の変更に伴う違和感は、その後の視生活にも悪影響を及ぼすこともありますのでしっかりと対処するべきです。

    購入店舗に相談しても「まずは少し慣らしてみてください。」と対処を先延ばしにする傾向があります。

    他の販売店に赴いて客観的なアドバイスを求める方もいらっしゃいます。

    Q強めのメガネを使用していると近視の度数は進みますか?

    少し見づらくなったメガネを先日作り直しました。良く見えるようにはなったのですが少し度数が強く感じます。

    度数は左右とも1段ずつ上がりました。矯正視力は1.2が見えています。使用していると頭痛を覚えるのと若干ですがものが遠く感じるような遠近感の狂いがあります。

    このまま度数の強いメガネを使用していると近視の度数は進んでしまう原因になるのでしょうか?

    A度数の進行への影響は少ないですが視力や身体への悪影響はあります

    解説

    見え方重視の測定で結果的に強い度数になってしまったケースです。このまま使用する上での不安を、度数の進行を危惧する形で相談を受けました。

    度数の進行の原因は目の大きさの変化によるものが大きい

    度数が強いメガネを肯定する気はありませんが、度数の進行自体は外的な要因よりも目そのものの大きさや機能による部分が大きいのでさほど心配はしなくてもいいです。

    度数の進行の要因に関してはこちらの記事をご覧ください。

    しかし度数の進行への影響が少ないからと言ってこのまま掛けづらいメガネを使用するのはお勧めできません。

    掛けづらいメガネは様々な悪影響がある

    視力が得られている場合に多いのですが、メガネを掛けた時の違和感を許容してしまう方も多いですが、その違和感はメガネを掛けた時に目や身体に負担をかけ続けることになります。

    頭痛などの体調異常

    度数の強いメガネを使用して頭痛、肩こり、眼精疲労、吐き気などの症状を訴える方もいます。

    近距離を見る際に目の負担になる

    近視のメガネは基本遠くを見やすくするメガネですので手元を見る時は自身の調整力を使ってピント合わせをします。

    度数が強い場合、その強い分、より多くの調整力を必要とします。目の疲れや頭痛の原因にもなります。

    場合によっては負担がなるどころか手元が見づらい、すぐにピントが合わすことができないこともあります。

    矯正視力が出にくくなる恐れ

    これが一番深刻な問題で本来の適正な度数で矯正視力が出にくくなります。

    視力はメガネを掛ければ必ず得られるものではありません。あくまで目の機能を補うものです。極力適切な度数で使用するようにしないと将来の視力まで保証されることはありません。

    強く感じる度数はすぐにでも見直しをするべき

    今回の質問者のケースでは、

    • 矯正視力で1.2が見える
    • 頭痛を覚える
    • 遠近感の狂い

    3つとも典型的な過度数気味のメガネにある症状で、明らかに度数が入り過ぎと言えます。

    無理に慣らす必要はありません。早急に度数の見直しを図るべきです。

    「強め」のメガネはあり得ない

    このサイトでもメガネの度数に関して「強め・弱め」と伝えやすく表現をしていますが、そもそも強めのメガネはあり得ません。

    手元の見え方や掛けやすさを犠牲にして遠くが良く見えるのを納得して使うのはメガネの度数としては危険です。

    まとめ

    • 外的な要因は視力低下への影響は少ない
    • 強めの度数のメガネは将来的に視力を得ることの妨げになる

    たった1段の度数の変化でも掛けやすさ、使いやすさは大きく変わってしまします。良好な視力を得るだけでなく、掛けやすさを考慮した度数選定のできる測定士にメガネの作成は任せたいところです。

  • 自覚しにくい?|近視の老眼の見え方

    「近視の人は老眼になりにくい」と耳にすることがありますが、老眼は全ての人に訪れます。

    近視の方は老眼の自覚症状に気づきにくい為に、既に老眼であっても老眼と認識していないことがあります。

    すでに老眼を自覚している(=近視ではない)身近な人から老眼の知識や情報を得ることで、誤った解釈や誤解をされている方も多いです。

    Q近視の目が老眼になるとどのような見え方になるのでしょうか?

    老眼は近くの物が見えなくなり少し離すと見えるということは、老眼になると近くが見づらくなり遠くが見えるということでしょうか?

    それとも近視の場合、遠くも近くも見えなくなってしまうのでしょうか?

    A近視を矯正したメガネを掛けた時、近くが見づらいのが老眼の症状です

    解説

    一般的な視力測定で測る遠くを見る部分の視力は変わらず、近くにピントを合わせる目の機能の低下を老眼(老視)と言います。

    よくある誤解として、近くが見づらくなった時から全ての視力の状態を「老眼」と誤解をしている方が多いです。

    近視の方の老眼はメガネを外すことで近くが見える

    近視のメガネを常用している方だと分かり易いのですが、すでに老眼の場合、メガネを掛けて遠くが見えている状態で、そのまま近くを見た時に見づらいはずです。

    ところがメガネを外すと遠くは見えなくなりますが、近くはメガネを掛けている時ほど見づらくないはずです。

    これが自覚症状をあいまいにしてしまう理由です。

    メガネを外した時が擬似的に老眼鏡を掛けている状態

    老眼鏡は近視のメガネと違い、近くにピントが合うように度数を選定していますので、そのまま老眼鏡を掛けたままでは遠くは見えません。

    近視の方がメガネを外した状態と同じような状態になります。

    老眼でなければ近くも遠くも見えるはず

    近視のメガネは遠くを良く見えるようにするために使用するものですが、適切な度数であれば遠くが充分に見える状態で近くも見えていたはずです。

    老眼でなければ、近視のレンズの効果で遠くにピントが合っている状態でも、ご自身の目の調整力で負担なく近くにピントを合わせることができます。

    まとめ

    • 近くのピント合わせがうまくいかない症状を老眼という
    • 近視の老眼の場合、メガネを使用した状態で近くが見づらくなる
    • メガネを外すことで近くが見えてしまうのが自覚症状をあいまいにしている

    近視の、特に常用している方が近くにピントが合いにくいと感じましたら、老眼鏡ではなく遠近両用を検討するようにしましょう。

購入相談について

  • 老眼鏡の度数測定|きちんと視力検査して作るべき?

    老眼鏡は雑貨店やスーパーなどで既製品を簡単に手に取ることができ、近くが見づらい自覚症状がある方なら試しに見え方を確認してみたり、安価なものならジュースを買うような感覚で購入する人もいることでしょう。

    試しに掛けてみて、見え方が裸眼と比べて良いようなら、それで済ましてしまう場合もあるかと思いますが、全てのメガネに言えることでもありますが、その時の目の状態に合わせて視力測定をして最適な度数で使用するようにしましょう。

    Q老眼も近視と同様、視力をちゃんと測ってもらって作った方がいいのでしょうか?

    近くが見づらくなり、老眼を自覚しております。

    既製品の安い老眼鏡を試しに買って使ってはいますがイマイチです。

    常用ではありませんが近視のメガネは作成して使っています。

    老眼鏡もきちんと測ってつくるべきでしょうか。

    A視力測定をして近くを見るのに適した度数を把握しましょう

    解説

    既製品の限られた度数の中から選ぶのではなく、まずは視力測定をして現在の目の状態で近くを見るのに適切な度数を知り、その上で既製品も含めて購入を検討するようにしましょう。

    既製品の一番弱い度数でも強すぎる可能性がある

    一般的に既製品の老眼鏡の度数の低いものは+1.00の度数のものが多いですが、視力測定の経験上、メガネを常用しない、もしくは使用していない方が老眼の自覚症状が出始めた時点では+1.00の度数でも過度に度数が入り過ぎになる場合が多いです。

    +0.50や+0.75の度数が最適の場合、+1.00の既製品で代用するのはおすすめできません。

    なにより見え方のピントが合いづらかったり、すぐに疲れや違和感を覚えることになります。

    ご質問者のような弱度の近視の方の初めての老眼鏡ならほぼ確実に+1.00では過度数になると推測されます。

    メガネを掛けた時に手元が見づらいのなら遠近両用を検討するべき

    近視矯正用のメガネを使用時には確実に手元は見づらいはずですので、メガネ使用時に不便に感じるのなら遠近両用メガネの作成を検討しましょう。

    手元に必要な度数が少なく済むようなら、遠近両用でよく聞くような「揺れや歪み」をほぼ感じずに、今までのメガネと同じような使い方でも手元の視界が確保できるようになります。

    メガネの使用頻度、使用状況を伝えて販売店で相談してみましょう。

    まとめ

    • 老眼鏡も含めメガネは度数選定の上で最適な度数で作るべき
    • 遠用のメガネの使用時に手元が見づらいなら遠近両用も検討

    メガネは適切な度数で使用するようにしましょう。

     

  • 遠近両用メガネが合わない|症状別の対処方法

    仕上がった遠近両用メガネが使いづらい、なかなか慣れることができない悩みは数多くあります。

    快適な視力を視力を得られるかどうかは仕事や生活にも直結してきますのですぐにでも改善したいものです。

    遠近両用メガネが合わないと感じてる方が訴える症状別に改善策を解説していきます。

    解説するにあたって、アイポイント加入度数累進長帯などの専門用語が出てきます。

    これらの遠近両用に関する用語は別記事で解説していますのでご存じでない方はご参照くださいませ。

    使いづらい|まずは正しい使い方を知る

    遠近両用メガネを使うにはちょっとしたコツのようなものがありますが、購入店できちんとした指導がないような場合などはうまく使うことができません。

    まずは使い方のコツを知るのと同時に、正しい使い方をしても良好な見え方が得られない場合も含めた解説をしている別記事がありますので併せてご参照ください。

    ボケる・見にくいなど見え方に関する対処方法

    遠近両用の見え方の不具合に関する対処方法は先ほどの遠近両用メガネの使い方の記事でも紹介していますが、目の状態やケース別にくわしく解説していきます。

    近視の方が遠くが見えない場合

    遠近両用のメガネを掛けて遠くの景色を見てみてください。

    あごを上げ過ぎないようにしてまっすぐ前を見ても良好な見え方がしない場合が当てはまります。

    あごを引いてみると見やすくなる

    遠くを見て何か目に入る対象をそのまま見たままあごをゆっくり引いていき明らかに見やすくなる場合、目の位置とアイポイントの位置に相違がある可能性が高いです。

    メガネを掛けたときに想定より上に上がってしまっていることで起きます。

    同じように、何か同じところを見たまま首(もしくはあご)を動かしてもよく見えない場合は遠くを見るための度数の選定そのものに問題がある可能性が高いです。

    遠視の方が遠くが見えない場合

    よくある誤解ですが、ここでいう遠視とは老眼のことではありませんのでご注意ください。

    遠視の方も近視の方と同様に遠くの同じところを見ながらあご(もしくは首)を上下して見え方が変わるか、よくなるかどうか確認してみてください。

    あごを引いてよく見えるようなら近視の項で解説したのと同様目の位置とアイポイントの位置に相違がある可能性が高いです。

    どこで見てもぼやける場合

    首を動かして見てもぼやける場合、遠視を矯正するための度数が過度に処方されている可能性が高いです。

    経験上の話をすると遠視の処方は、使用していた度数+1段階程度にしないと、実際に仕上がったメガネでは目の調整力が影響してかボケやすくなってしまうケースが多いです。

    加入度数(手元を見るのに加える度数)を考慮すると少しでも目に合わせて度数を入れたいところですが、違和感を感じない範囲で1段階ないし2段階の度数を与える程度にしないと使用感がついてきません。

    近視・遠視|近くが見えづらい場合

    近くが見えづらいケースは近視、遠視を併せて説明します。

    遠近両用メガネの近くの見方に付いてはコツがありますので遠近両用メガネの使い方を参照して手元の見え方を確認してください。

    雑誌などを用意し同じところを見たまま少しあごを上げて見ても見えやすくならない場合、

    • 目の位置に対してレンズのアイポイントが下過ぎる
    • 手元を見るための加入度数の選定に問題がある
    • 加入度数が過度に処方されていて適切な度数帯がレンズの中間帯に存在する
    • 目の旋回能力が低下していてうまく下方視ができない

    遠くがぼやける問題と同じく度数の選定、メガネの加工・調整が原因となる場合が多く、購入店で対応してもらう必要があります。

    目の旋回能力の低下は近くが見えなくなる老眼(老視)と同じ目の老化現象の一つです。

    遠近両用レンズの累進帯長の短いタイプのレンズの使用での改善を相談してみましょう。

    眼精疲労・肩こり・頭痛・疲れるなどの症状の対処方法

    メガネを使用していると起こる体調不良にもメガネ自体に原因がある場合も多いです。

    メガネ自体に問題がある場合は処方された度数が過度数気味である場合がほとんどです。

    遠近両用に限らずたった1段階の度数が多く入っているだけでも目が疲れたり頭痛を覚えたりします。

    度数の見直しを検討する必要があります。

    これは見え方優先の度数選定で起きる場合が多いです。

    見え方は視力表などで確認することができますが、強く感じるのか、距離感の狂いなどがあるのかは使用者側から申告がないと対応できない場合もあります。

    検査時の不具合、違和感は遠慮なく声に出してしっかり対応してもらいましょう。

    度数の問題以外にも遠近両用メガネに関しては体調不良の原因になるものがあります。

    遠視の方の眼精疲労について

    目の屈折異常でプラス(+)の符号を持つ度数を持った方を遠視といいますが、遠視の方は近視の度数を持った方と比べ同じ度合いの度数(例えば遠視の+1.50の度数と近視の-1.50の度数)であっても比較的視力は得られている場合があります。

    本来は同じくらいの視力表検査での裸眼視力になるはずなんですが、近視の-1.50の方が0.2から0.3程度に対し、遠視の方の+1.50の方は0.7から0.8程度見えていたりします(あくまで目安の推定です)。

    これは遠視の屈折異常の方は目の調整力が必要以上に働いてしまい、目の能力を酷使しているためといわれています。

    遠視の方はある程度視力が得られている場合でも、可能な限り遠視の矯正を行うことで眼精疲労が緩和される場合があります。

    ただし、見え方の不具合の方でも書きましたが、遠視の度数は使用してる度数+1段階程度ずつ度数を上げるようにしないと目の調整力との兼ね合いでかえって良好な視力が得られなくなる場合もありますので注意が必要です。

    肩こり・疲れの症状について

    遠近両用で手元を見る場合、無意識に近くを見る姿勢よりも若干あごを上げた姿勢でみることになります。

    読書や事務作業など長時間になるような場合、身体的に負担になる場合もあります。

    使用している遠近両用の度数自体に問題がない場合、より近用部の視野が広い仕組みの「中近両用メガネ」や小さ目のフレームで累進長帯の短いレンズを使用することでより自然な姿勢で近用作業をすることができます。

    酔う・揺れる・気持ち悪いなど使用感の不具合の対処方法

    遠近両用のレンズで酔うような感覚や揺れを感じるのはレンズの箇所ごとに違う度数が配置されていることで起こる症状です。

    目をより動かすことでこのような使用感になってしまいます。

    意識的に目ではなく首・体を動かして見る

    目の動きだけで見ようとするとどうしても揺れを感じやすくなってしまいますので意識して首や体ごと視線を向けるようにしてみましょう。

    目の使い方には個人差がありますので一概に言えませんが、ある程度の視界の揺れを軽減できます。

    レンズの揺れが大きくなる最大の原因は加入度数の値

    遠近両用の視界が揺れる最も大きな原因は加入度数に処方されている度数が大きくなればなるほどレンズの仕組み上、揺れや歪みを感じやすくなります。

    以前メーカーの方に伺った話なのですが、加入度数が+1.50を超えるとレンズの仕組み上見え方のクセが出やすく、使用者も何らかの不具合を訴えることが多くなるとのことです。

    加入度数に処方されている度数が適切かどうか、改めてみてもらう必要があります。

    使用しているフレームのサイズが必要以上に大きくないか

    レンズは外側に行くほど光学的に見え方の歪みが出やすくなります。

    「歪みの少なさ」を売りにしているレンズでも程度の差はあれ同じです。

    メガネ作成の大原則としていたずらに大きいフレームより小さ目のフレームの方が見え方、重さなどの仕上がりの面で有利になります。

    レンズを小さ目に削ることで見え方のゆがみやすい部分をなくすことができます。

    まとめ|遠近両用を作ったのは失敗だったのか

    症状別に解説してきましたので長く読みづらい記事になってしまいましたが、慣れない遠近両用メガネが出来上がってしまうほとんどの原因は視力測定者や販売者の技術不足や経験不足によるところが大きいです。

    不具合を申告しても改善するだけの技術がない場合もあるでしょう。

    このサイトを作成し始めたときにもいろいろな形でリサーチをしてきましたが、まだまだ技術的にも知識的にも未熟な情報があふれています。

    人間の目は年齢とともに衰え、ほぼすべての人がメガネのお世話になります。

    「見る」ことはそのまま生活に直結してきますので、不都合のあるメガネを無理して使う方が一人でも少なくなることを願っています。

    手前味噌の話にはなりますが、私が制作してきた遠近両用メガネは、初めての方であってもお渡し時からすぐに使用していく人も多かったです。

    車を運転して帰る人など自宅に着いてからの使用を勧めてもです。

    「遠近両用だから慣れるのにたいへん」ということはありません。

    今はインターネットを活用することで、しっかりとした技術のある販売店や販売者に出会えることも不可能ではないでしょう。

    多少手間でもご自身の生活環境の中で信頼できる購入店を探してみるようにしましょう。

    遠近両用のメガネはご自身でもある程度の予備知識を持っていた方が失敗が少なくなります。

    併せて遠近両用関連の記事を読んでいただけると幸いです。

     

     

     

     

     

     

     

     

トラブル解消について

  • 遠近両用メガネが合わない|症状別の対処方法

    仕上がった遠近両用メガネが使いづらい、なかなか慣れることができない悩みは数多くあります。

    快適な視力を視力を得られるかどうかは仕事や生活にも直結してきますのですぐにでも改善したいものです。

    遠近両用メガネが合わないと感じてる方が訴える症状別に改善策を解説していきます。

    解説するにあたって、アイポイント加入度数累進長帯などの専門用語が出てきます。

    これらの遠近両用に関する用語は別記事で解説していますのでご存じでない方はご参照くださいませ。

    使いづらい|まずは正しい使い方を知る

    遠近両用メガネを使うにはちょっとしたコツのようなものがありますが、購入店できちんとした指導がないような場合などはうまく使うことができません。

    まずは使い方のコツを知るのと同時に、正しい使い方をしても良好な見え方が得られない場合も含めた解説をしている別記事がありますので併せてご参照ください。

    ボケる・見にくいなど見え方に関する対処方法

    遠近両用の見え方の不具合に関する対処方法は先ほどの遠近両用メガネの使い方の記事でも紹介していますが、目の状態やケース別にくわしく解説していきます。

    近視の方が遠くが見えない場合

    遠近両用のメガネを掛けて遠くの景色を見てみてください。

    あごを上げ過ぎないようにしてまっすぐ前を見ても良好な見え方がしない場合が当てはまります。

    あごを引いてみると見やすくなる

    遠くを見て何か目に入る対象をそのまま見たままあごをゆっくり引いていき明らかに見やすくなる場合、目の位置とアイポイントの位置に相違がある可能性が高いです。

    メガネを掛けたときに想定より上に上がってしまっていることで起きます。

    同じように、何か同じところを見たまま首(もしくはあご)を動かしてもよく見えない場合は遠くを見るための度数の選定そのものに問題がある可能性が高いです。

    遠視の方が遠くが見えない場合

    よくある誤解ですが、ここでいう遠視とは老眼のことではありませんのでご注意ください。

    遠視の方も近視の方と同様に遠くの同じところを見ながらあご(もしくは首)を上下して見え方が変わるか、よくなるかどうか確認してみてください。

    あごを引いてよく見えるようなら近視の項で解説したのと同様目の位置とアイポイントの位置に相違がある可能性が高いです。

    どこで見てもぼやける場合

    首を動かして見てもぼやける場合、遠視を矯正するための度数が過度に処方されている可能性が高いです。

    経験上の話をすると遠視の処方は、使用していた度数+1段階程度にしないと、実際に仕上がったメガネでは目の調整力が影響してかボケやすくなってしまうケースが多いです。

    加入度数(手元を見るのに加える度数)を考慮すると少しでも目に合わせて度数を入れたいところですが、違和感を感じない範囲で1段階ないし2段階の度数を与える程度にしないと使用感がついてきません。

    近視・遠視|近くが見えづらい場合

    近くが見えづらいケースは近視、遠視を併せて説明します。

    遠近両用メガネの近くの見方に付いてはコツがありますので遠近両用メガネの使い方を参照して手元の見え方を確認してください。

    雑誌などを用意し同じところを見たまま少しあごを上げて見ても見えやすくならない場合、

    • 目の位置に対してレンズのアイポイントが下過ぎる
    • 手元を見るための加入度数の選定に問題がある
    • 加入度数が過度に処方されていて適切な度数帯がレンズの中間帯に存在する
    • 目の旋回能力が低下していてうまく下方視ができない

    遠くがぼやける問題と同じく度数の選定、メガネの加工・調整が原因となる場合が多く、購入店で対応してもらう必要があります。

    目の旋回能力の低下は近くが見えなくなる老眼(老視)と同じ目の老化現象の一つです。

    遠近両用レンズの累進帯長の短いタイプのレンズの使用での改善を相談してみましょう。

    眼精疲労・肩こり・頭痛・疲れるなどの症状の対処方法

    メガネを使用していると起こる体調不良にもメガネ自体に原因がある場合も多いです。

    メガネ自体に問題がある場合は処方された度数が過度数気味である場合がほとんどです。

    遠近両用に限らずたった1段階の度数が多く入っているだけでも目が疲れたり頭痛を覚えたりします。

    度数の見直しを検討する必要があります。

    これは見え方優先の度数選定で起きる場合が多いです。

    見え方は視力表などで確認することができますが、強く感じるのか、距離感の狂いなどがあるのかは使用者側から申告がないと対応できない場合もあります。

    検査時の不具合、違和感は遠慮なく声に出してしっかり対応してもらいましょう。

    度数の問題以外にも遠近両用メガネに関しては体調不良の原因になるものがあります。

    遠視の方の眼精疲労について

    目の屈折異常でプラス(+)の符号を持つ度数を持った方を遠視といいますが、遠視の方は近視の度数を持った方と比べ同じ度合いの度数(例えば遠視の+1.50の度数と近視の-1.50の度数)であっても比較的視力は得られている場合があります。

    本来は同じくらいの視力表検査での裸眼視力になるはずなんですが、近視の-1.50の方が0.2から0.3程度に対し、遠視の方の+1.50の方は0.7から0.8程度見えていたりします(あくまで目安の推定です)。

    これは遠視の屈折異常の方は目の調整力が必要以上に働いてしまい、目の能力を酷使しているためといわれています。

    遠視の方はある程度視力が得られている場合でも、可能な限り遠視の矯正を行うことで眼精疲労が緩和される場合があります。

    ただし、見え方の不具合の方でも書きましたが、遠視の度数は使用してる度数+1段階程度ずつ度数を上げるようにしないと目の調整力との兼ね合いでかえって良好な視力が得られなくなる場合もありますので注意が必要です。

    肩こり・疲れの症状について

    遠近両用で手元を見る場合、無意識に近くを見る姿勢よりも若干あごを上げた姿勢でみることになります。

    読書や事務作業など長時間になるような場合、身体的に負担になる場合もあります。

    使用している遠近両用の度数自体に問題がない場合、より近用部の視野が広い仕組みの「中近両用メガネ」や小さ目のフレームで累進長帯の短いレンズを使用することでより自然な姿勢で近用作業をすることができます。

    酔う・揺れる・気持ち悪いなど使用感の不具合の対処方法

    遠近両用のレンズで酔うような感覚や揺れを感じるのはレンズの箇所ごとに違う度数が配置されていることで起こる症状です。

    目をより動かすことでこのような使用感になってしまいます。

    意識的に目ではなく首・体を動かして見る

    目の動きだけで見ようとするとどうしても揺れを感じやすくなってしまいますので意識して首や体ごと視線を向けるようにしてみましょう。

    目の使い方には個人差がありますので一概に言えませんが、ある程度の視界の揺れを軽減できます。

    レンズの揺れが大きくなる最大の原因は加入度数の値

    遠近両用の視界が揺れる最も大きな原因は加入度数に処方されている度数が大きくなればなるほどレンズの仕組み上、揺れや歪みを感じやすくなります。

    以前メーカーの方に伺った話なのですが、加入度数が+1.50を超えるとレンズの仕組み上見え方のクセが出やすく、使用者も何らかの不具合を訴えることが多くなるとのことです。

    加入度数に処方されている度数が適切かどうか、改めてみてもらう必要があります。

    使用しているフレームのサイズが必要以上に大きくないか

    レンズは外側に行くほど光学的に見え方の歪みが出やすくなります。

    「歪みの少なさ」を売りにしているレンズでも程度の差はあれ同じです。

    メガネ作成の大原則としていたずらに大きいフレームより小さ目のフレームの方が見え方、重さなどの仕上がりの面で有利になります。

    レンズを小さ目に削ることで見え方のゆがみやすい部分をなくすことができます。

    まとめ|遠近両用を作ったのは失敗だったのか

    症状別に解説してきましたので長く読みづらい記事になってしまいましたが、慣れない遠近両用メガネが出来上がってしまうほとんどの原因は視力測定者や販売者の技術不足や経験不足によるところが大きいです。

    不具合を申告しても改善するだけの技術がない場合もあるでしょう。

    このサイトを作成し始めたときにもいろいろな形でリサーチをしてきましたが、まだまだ技術的にも知識的にも未熟な情報があふれています。

    人間の目は年齢とともに衰え、ほぼすべての人がメガネのお世話になります。

    「見る」ことはそのまま生活に直結してきますので、不都合のあるメガネを無理して使う方が一人でも少なくなることを願っています。

    手前味噌の話にはなりますが、私が制作してきた遠近両用メガネは、初めての方であってもお渡し時からすぐに使用していく人も多かったです。

    車を運転して帰る人など自宅に着いてからの使用を勧めてもです。

    「遠近両用だから慣れるのにたいへん」ということはありません。

    今はインターネットを活用することで、しっかりとした技術のある販売店や販売者に出会えることも不可能ではないでしょう。

    多少手間でもご自身の生活環境の中で信頼できる購入店を探してみるようにしましょう。

    遠近両用のメガネはご自身でもある程度の予備知識を持っていた方が失敗が少なくなります。

    併せて遠近両用関連の記事を読んでいただけると幸いです。

     

     

     

     

     

     

     

     

悩みについて

  • 100円ショップの老眼鏡は度数の進行を早めてしまうのでしょうか?

    100円ショップでも手に入る既製品の老眼鏡は、その価格もありお世話になっている方も多いです。

    品質のムラ等使用に耐えないものも中にはありますが、きちんと手に取った上で見え方、装用感、何より使用者の必要とする度数に最適なものであれば既製品の使用自体は問題ありません。

    しかし、価格が価格だけに目への負担を気にされる方も少なくありません。

    販売店在籍時にも良く相談されました。

    Q100円ショップの老眼鏡は度数の進行を早める原因になるのでしょうか?

    最近老眼が進行していると感じています。

    老眼鏡は100円ショップで購入したものを使用しています。

    自分の知人・友人も同じような印象を持っているのですが、100円ショップなどの安い老眼鏡は老眼の進行を早めてしまうことはあるのでしょうか?

    A老眼は目の老化現象ですので使用しているメガネの影響はありません

    解説

    近くが見づらくなる一番の原因は、眼球の中にある「水晶体」と呼ばれるレンズの役割をするところが弾力を失うことでピント合わせの機能が衰えることにあります。

    cross-section

    「水晶体」の弾力の衰え初めは20代でも確認され、近くのピント合わせに支障が出始める年齢が40代くらいなのが一般的です。

    老眼の度数は継続的に進行する

    老眼は近視などとは違い、加齢とともに進行していきます。

    60代に入っても進行はあり、加えて将来的には白内障もほぼ全ての人がかかるといわれ、視力全体に影響していきます。

    適切なメガネの使用は大前提ですが、年齢と共に必要となる老眼の度数は増えていきます。

    老眼はメガネの品質に関わらず、ほぼすべての方に度数の進行があるのが事実です。

    見え方には常に気を配り、必要に応じて適切な度数の老眼鏡を用意してあげるようにしましょう。

    視力の確認は近距離用の視力表を用います。

    市販もされていますのでご自宅での視力検査も可能です。

    中村氏ひらかな万国式近点検査表(近距離視力表)

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    • 商品ランキング81,914位

    近距離視力表を30cmの距離で見て、視力表にある0.7から0.8程度が両眼視で見えていればOKです。

    0.8に書かれている文字自体は普段見る機会もないくらいの小さい文字ですが、これが見えないと老眼鏡としては役不足となります。

    逆に、それ以上は見えていると過矯正気味か、その時点で使いづらく感じる老眼鏡になっている可能性があります。

    既製品の老眼鏡が及ぼす目への悪影響

    既製品の老眼鏡が度数の進行には影響がないのは述べましたが、使用する上で注意しておきたいこともあります。

    度数の選定の問題

    既製品の老眼鏡を使っている方の中にはご自身の見え方の確認のみで度数を選んで使用している方もいらっしゃるかと推測できますが、適正な度数でない場合、今後の視力の出方に悪影響を及ぼす恐れがあります。

    実際に近くを見るのに視力必要な度数よりも多くの度数の物を使用してしまいますと、老眼鏡と同じ度数が必要になった時に充分な視力が得られないことがあります。

    つまり、視力が出にくくなってしまう可能性がありますので、既製品を使用する場合でも販売店や眼科などで視力測定を行い適切な度数の物を使用するようにしましょう。

    品質上の問題

    格安な既製品の老眼鏡は品質にバラつきがある場合も多く、レンズの傾き具合などが歪んでいて、その見え方になれてしまうと、正常な向きのレンズで違和感が出てしまう場合があります。

    フレームに使用されている素材によっては型くずれしやすい物もありますので丁寧な取り扱いを心がけましょう。

    使用していて違和感を感じるようなら型くずれ等が原因の可能性があります。

    すぐに使用を中止するようにしましょう。

    まとめ

    • 100円ショップのメガネでも老眼の度数の進行には影響はない
    • 老眼は加齢とともに進行する
    • 使用する度数によっては視力に悪影響を及ぼす恐れはある
    • 度数の選定は販売店や眼科に依頼する
  • 近視のメガネ|目が小さく見えるのを改善したい

    メガネの近視のレンズは、レンズ越しに映るものを小さくしてしまいます。

    顔の輪郭のラインがずれたり、目が小さくなることに多くの人が同じ悩みを抱えています。

    レンズの特性上、小さくなることをなくすことは難しいですが、対策が全くないわけではありません。

    販売店在籍時の相談される回数の多い内容です。

    Q強度の近視なんですが目が小さくならないメガネが欲しいんです。

    普段はメガネを掛けているのですが、ふとした時にメガネを外すと別人のようだと言われたりします。

    メガネ越しの顔のラインが崩れるのも気になります。

    顔が歪むことの無い、もしくは歪みが目立たないメガネはありませんか?

    Aレンズの効果で目が小さくなるのは避けられません

    解説

    近視のレンズはレンズ越しに映るものを小さくしてしまうのは上で述べましたが、レンズの度数が強くなればなるほど、更に小さく映るようになります。

    レンズの特性上無くすことは難しいですが、可能な限りの対策法を載せます。

    高性能薄型レンズを使用する

    予算は掛かりますが、標準的なレンズよりも薄型のレンズの方が歪みは少なくなります。

    • 球面設計レンズより非球面設計のレンズにする
    • 非球面設計レンズより両面非球面レンズを選ぶ
    • 屈折率の高い(数字が大きい)レンズを使用する

    両面非球面設計の高屈折レンズを使用することが少しでもレンズの歪みの効果を抑えることになります。

    フレームを工夫する

    フレーム選びもメガネの仕上がりに影響します。

    予算に左右せずに対策することができます。

    セルフレームで作成する

    厳密に言いますとセルフレームでなくてもよいのですが、セルフレームの多くは独立した鼻のパッドが無いものが多く、メガネを掛けた時により顔に密着させることができます。

    レンズを顔に近づけることで目が小さくなることを抑えることができます。

    ※レンズが顔によることで厳密にはレンズの度数の効果が高くなります。

    人によってはメガネが強く感じたり、頭痛などを覚える場合もありますのでセルフレームの使用が初めての方や、鼻のパッドの調整で顔に近づける場合は注意が必要です。

    レンズサイズの小さいフレームを選ぶ

    レンズは中心に焦点があり、外側にいくにつれて歪みが出ますので、なるべく小さく削ることで顔の輪郭が歪むのを軽減できます。

    近視のレンズの場合、レンズの厚みも目立たなくなりますので、見え方、仕上がりとも良くなり一石二鳥です。

    意識して小さ目のレンズにする場合はレンズの横幅が小さい物にするのが効果的です。

    サイズが小さすぎて顔に合わず似合わないものでは本末転倒ですからご家族、友人、販売店のスタッフにもアドバイスをもらって選ぶようにしましょう。

    コンタクトレンズを使用する

    メガネではなくなってしまうので質問に答えていることにはならないのですが、メガネ使用時の顔の歪みや目の大きさが気になるくらいの度数の方はコンタクトレンズの見え方の方がより自然で良好な視界を得られる場合が多いです。

    体質などでコンタクトの使用条件、種類は変わりますので眼科に相談の上購入を検討するようにしましょう。

    伊達メガネ+コンタクトレンズ

    メガネを使用したい場合、コンタクトで視力を得て、度数の無いメガネを装用することも選択肢の一つです。

    度数の無いレンズは顔の輪郭をゆがませることもありません。

    回りくどい方法のようですが、実際にこの方法で使用している人も意外といます。

    まとめ

    • 近視のレンズの特性上、目が小さくなることは避けられない
    • レンズ・フレーム選びを工夫することで多少対策できる
    • コンタクトの使用も検討する

    フレーム選びを工夫することは予算に影響は少ないのでお勧めです。

  • 強度の近視です|レンズの薄いメガネを作りたいです

    近視の度数の強い方は、薄型のレンズに予算を掛けても思ったような仕上がりになりづらいのは事実です。

    無意識的にフレームを選んでいる際にフレームに取り付けられているデモ用のレンズと同じかそれ以上の仕上がりを期待してしまうのは致し方ないところです。

    少しでもレンズの厚みを目立たせずに仕上がりを良くしたいところです。

    Qレンズが薄くきれいに仕上がっているメガネが欲しい

    左右度数が-6.00の強度の近視なんですが、お店で一番薄いプラスチックレンズでメガネを作ってもレンズの端の厚みは5ミリを超えると言われました。

    レンズにお金を掛けても薄く仕上げることはできないのでしょうか?

    Aレンズの厚みには限界がありますが、目立たなく仕上げる方法はあります

    解説

    近視-6.00の度数ですと現在販売されている薄型のレンズでもある程度の厚みにはご了解をいただくくらいの度数にはなります。

    販売員も仕上がり後の厚みの指摘を想定してか、度数がある方には目安となるレンズの厚みを事前に伝えている場合も多いです。

    その説明自体はネガティブな伝え方になってしまうのですが、フレームの選び方やレンズの仕上げで目立たなくすることはできます。

    フレーム選びを工夫してレンズの厚みを目立たなくする

    レンズの厚みを気にならないようにするにはフレーム選びから工夫をするようにしましょう。

    リムレスのフレームを避ける

    枠がないタイプのフレームはレンズの断面がそのまま見えてしまいますので、レンズの厚みを気にするなら避けるべきでしょう。

    枠ありのメタルフレームならレンズを挟み込む部分のフレームの幅が約2mmほどありますので5mmのレンズ厚が合っても、はみ出るのは3mm程度なら充分許容範囲になります。

    セルフレームで作成

    レンズの厚みを目立たなくするもっともポピュラーな方法です。

    5mm程度のレンズの厚みならフレームで隠れてしまいほとんど厚みを気にしないで済むでしょう。

    セルフレームは金属製のフレームに比べカジュアルな印象を持ちますが、落ち着いた色味のフレームならスーツなどのフォーマルな服装にも合います。

    フレームのレンズの横幅のサイズを小さいものにする

    レンズの大きいフレームよりも小さいフレームの方がレンズの厚い部分を削り落としてしまうことができますので顔、頭のサイズに合わせた小さ目のレンズのフレームを選ぶようにしましょう。

    レンズのサイズが小さい物が似合わない人でも、フレーム横の張り出し感のあるフレームを選ぶと、顔に対しておさまりもよく、知的な印象にもなります。

    レンズでの工夫

    予算の許す限り薄型のレンズでメガネを作るのはもちろんですが、レンズでも厚みを目立たなくする工夫ができます。

    レンズの面取りを大きくしてもらう

    フレームに合わせて削り出したレンズの断面は角を落とすように面取りをしています。

    面取りの大きさは加工する人によっても様々ですが、大き目に面取りをしてもらうことで横からみたレンズの厚みを目立たなくすることができます。

    ただこの面取りは注意しないといけないこともあるのですが、大きく面取りをした場合、正面から見ると面取りをした部分が映り込みます。

    面取りした面にはレンズに施されているコーティング類も当然ありません。

    面取りをしてもらった場合は断面を軽く磨いてもらった方がキレイですので面取りと一緒に艶出しの確認をするようにしましょう。

    薄くするためだけにガラスレンズを選択するのはお勧めできない

    レンズの薄さを追求するとガラスレンズを選択肢にすることもありますが、薄くするだけの目的でガラスレンズで作成するのはお勧めできません。

    高屈折率のガラスレンズはとても重い

    プラスチックレンズにも言えることですが、レンズの屈折率が高くなると素材の比重が大きくなります。

    高屈折率のガラスレンズは薄くなってもそれを相殺できないくらい重くなります。

    鼻や耳にかかる負担は大きくなり、鼻には跡がついてしまい、女性の方は特に想定しないことにもなってしまいます。

    プラスチックレンズとの見え方の差

    プラスチックレンズとガラスレンズはそもそも見え方の印象が異なります。

    レンズの持つ見え方の性能は実はガラスレンズの方が良く、ガラスレンズを使用していた方がプラスチックレンズを使用しますと違和感を覚えることが多いです。

    ガラスレンズの使用者・種類が少ない

    ガラスレンズはプラスチックレンズを含めたレンズの販売数で5%ほどしかなく使用している人が少ないのが現状です。

    ニーズの問題もありガラスレンズは種類がとても少なく、レンズ選びの選択肢を少なくしてしまいます。

    まとめ

    • フレームのタイプ・素材・サイズを工夫する
    • レンズの面取りを相談する
    • 薄くする理由だけで極力ガラスレンズの選択は避ける

    レンズ自体を薄くすることは叶わない場合もありますが、フレームを工夫することで厚みは目立たなくすることは充分に可能です。

    度数の強い方の悩みを解決するような、より薄型の画期的なレンズの登場を期待したいですね。

基礎知識

  • 遠近両用メガネを作る上で重要な加入度数(add)を知る

    遠近両用メガネを作る上で重要な要素となる項目はたくさんありますが、その中でも重要度が高い加入度数を解説します。

    加入度数はその名の通りメガネに施す度数の事ですので、基本的に測定者にゆだねる部分も多いのですが、仕上がった遠近両用メガネを使いづらいものにしないためにも使用者側でも最低限の知識を持つことは大切です。

    加入度数の事を知る上では、測定する加入度数と、遠近両用レンズに施された加入度数の2つの側面から見ることになります。

    遠近両用の加入度数とは

    遠近両用メガネを作る際には2つの度数選定を行う必要があります。

    ひとつは一般的な視力表を用いた遠くを見るための度数の選定です。

    もう一つは遠くを見るための度数越しに近くを見ることができるか視力測定をし、視力が充分でない場合、近くが見えるように度数を施していきます。

    遠くを見るのに度数が必要ない場合は、俗に言う素通しの状態で近くの見え方を確認します。

    このようにして遠くを見るために必要な度数と、遠くが見える度数を基準に近くが見えるように補正した2つの度数を元に遠近両用メガネを作成します。

    この遠くの度数と近くの度数の差を読んだものが「加入度数」です。

    加入度数は「Add」と略されて表記される場合もあります。addition(追加)の頭3文字からとったものです。

    progressive-lens02

    画像は遠用度数と近用度数の組み合わせで加入度数を選定している2例です。

    どちらも片眼だけで表記していますが、実際には左右の目ごとに度数を選定します。

    1番目の例の解説

    1番目の例は老眼の症状が出るまでメガネを使用しなかった方を想定した度数です。

    遠くを見る視力は裸眼の状態でも充分に得られているので、遠用度数は「0」(いわゆる素通し)です。

    裸眼では近くのピント合わせができなくなっているので+1.00の度数を選定したと仮定しています。

    これを遠近両用にすると遠用度数は「0」、加入度数は「+1.00」となります。

    参考までにこの目の方が老眼鏡を作る場合の度数は「+1.00」となります。

    2番目の例の解説

    2番目の例は近視の方でメガネの常用が必要な方を想定した度数です。

    視力はおおよそ0.1~0.2程度で度数が適切なメガネを掛けても、掛けたままでは近くが見えづらい方が遠近両用の測定を行ったようなイメージの度数です。

    遠用度数は-3.00で決定後、そのまま近距離用視力表を用いて近くを見るのに必要な視力を計っていきます。

    近視の方の場合は度数を落としていくことで近くが見えるようになります。

    例では度数が-2.00で近用の視力が得られたと仮定しています。

    この-2.00という度数は、-3.00に+1.00を足したことで得られた度数になります。

    画像にあるようにこの場合の加入度数は「+1.00」となります。

    遠近両用の度数は遠用度数が「-3.00」、加入度数は「+1.00」となります。

    近視の方の老眼鏡は正直あまり使い勝手がいいものではないのですが、仮に老眼鏡を作る場合の度数は「-2.00」となります。

    必要な加入度数は年々増える

    進行の度合いには個人差がありますが、近くを見る=近くにピントを合わせる目の能力は一般的に40代から自覚症状が出始め加齢とともに徐々に落ちていきます。

    遠近両用メガネで言うと遠くを見るための度数の状態が変わらなくても加入度数に必要な度数は増えていくことになります。

    遠近両用購入から1年ほどでも遠くの見え方が問題なくても、近くが見づらくなることは充分想定できる範囲です。

    もともとメガネを使用していた方は老眼になり遠近両用など近くを見やすくしたメガネを使用すると買い替えのサイクルが変わる場合がありますので購入時の費用のかけ方には注意しましょう。

    ※念の為書いておきますが、近くが年々見づらくなる原因には遠近両用を含めたメガネの使用の有無は直接的な因果はありません。

    老眼の基礎知識は別記事にて解説していますのでよろしければ参照してください。

    遠近両用レンズ|加入度数が少ない度数のうちに使い始めるメリット

    この章からは遠近両用のレンズ側から見た加入度数で知っておきたいことを解説します。

    年々手元を見るための度数、遠近両用の場合は加入度数の値が大きくなっていくのは先に述べました。

    遠近両用レンズに施される加入度数は値が大きくなるほどレンズの性能上、見え方に「クセ」が出やすくなります。

    逆に言うと加入度数が少ないレンズは遠くだけの手元が見づらくなったメガネと、ほとんど変わらない使用感でキチンと手元の視野が広く確保できます。

    良く遠近両用メガネにある口コミ、使用感で「ゆれ・ゆがみ」がひどいという話を耳にしますが、ゆれ、ゆがみの原因にはいくつかありますが、まず最初に疑うべきは加入度数の値です。

    加入度数が過度な処方(実はこのケースが多い)の場合はもちろん、目の状態に適正な場合であっても、ある程度加入度数が入った遠近両用メガネは、レンズの特性上見え方のクセを感じやすくなってしまいます。

    遠近両用レンズで主流の「累進設計」と呼ばれる複雑な仕組みで出来たレンズは独特の使用感があります。

    加入度数が少ないうちに使用し始めることでその独特の見え方に違和感を覚えることなく使うことができます。

    レンズの規格上加入度数の最小値は+0.75のレンズが多いのですが、+0.75や+1.00で遠近両用を作成できた方はお渡し時から使用していかれる方も多いです。

    特に近視の方で老眼の自覚症状がある方で遠近両用の購入を検討しているのなら早めに販売店などで相談されることをおすすめします。

    ぜひ、遠近両用のテストレンズにてその使用感と見え方を体感してみてください。

    加入度数の値が大きい遠近両用メガネ

    一般的な遠近両用のレンズの加入度数は0.25刻みで、+0.75から+3.50まで制作可能なものが多いです。

    加入度数の値が大きくなると見え方や使用感にクセが出やすいと述べましたが、これはレンズの設計上でも確認できることでもあります。

    加入度数が大きくなりますと、加入度数の小さなレンズと比べ、特に手元の見える範囲が狭くなります。

    イメージとしては新聞などを広げて見ても紙面全体が見えるのではなく、見えている視野の一部分にピントが合うような状態です

    addition01

    Original photo by Ian Lamont

    画像は加入度数の大小での近用部分の見え方のイメージです。

    どちらも近くの視力は得られていますが見え方の印象は大きく異なります。

    一般的な度数のイメージで度数が強く入っているとその分良く見えると思っている方も中にはいらっしゃいますが、遠近両用の近用部は特に、なるべく加入度数を抑える工夫をしないと度数が余計に入った分視野が狭くなってしまい不満足な見え方となってしまいます。

    加入度数が大きくなることで視界が狭くなるのは近くに限ったことではなく、遠くの部分の見え方にも影響します。

    そして良く言われる「ゆれ、ゆがみ」はレンズの周辺部分に存在するぼやける部分に視線が入ることでも起きます。

    ぼやけている箇所はレンズの工学上レンズの役割を果たしていない部分です。

    加入度数が大きくなるにつれ、どうしてもぼやける範囲は広くなってしまいます。

    初めて使う遠近両用メガネの加入度数が+1.50以上のケース

    以前、メーカーの方から伺った話ですが、使用者に適切な加入度数の処方であっても、初めての遠近両用のメガネで+1.50以上の加入度数が必要な場合、なんらかの不満足な評価を訴えることが多くなるとの事です。

    言い換えれば、加入度数+1.50の遠近両用レンズには設計上どんなに工夫を施しても光学的に無理な部分が出やすくなるともいえます。

    まとめ

    • 遠近両用の遠用度数と近用度数の差を加入度数という
    • 加入度数が少なく済むうちに遠近両用を使用できるのが理想
    • 加入度数に必要な度数は年々増える
    • 加入度数が大きくなることで使用感にクセが出やすくなる

     

  • 遠近両用レンズの累進帯長を知って快適な遠近両用メガネを作る

    現在主流の境目のない累進設計でできた遠近両用レンズには「累進帯長」と呼ばれる規格があります。

    この遠近両用レンズの累進帯長を知ることは遠近両用メガネを作る上でフレームの選び方、予算、仕上がりをよくする上でとても有用です。

    HOYA社の遠近両用レンズを例に累進長帯で知っておきたいことを解説します。

    累進長帯とは

    ruishinchoutai

    遠近両用のレンズは遠くを見るために必要な度数と、近くを見るための度数が1枚のレンズに配置されています。

    この遠くの度数と近くの度数の配置されている縦の距離を「累進長帯」といいます。

    14mmと11mmの2種類の累進帯長

    HOYA社のレンズには14mmと11mmの2種類の累進長帯の遠近両用レンズが用意されています。(※一部例外の遠近両用レンズもあります)

    標準的な14mmの累進長帯のレンズと、縦幅の少ない小さ目なフレーム向けの11mmの累進長帯と、使用するフレームに合わせて累進長帯を決定するのが一般的な使い分けになります。

    一般フレーム用と小型フレーム用の2種

    累進長帯の規格で重要なのは累進長帯が何mmなのかではなく、一般的なサイズのフレーム用か小型フレーム用向けのものかが重要です。

    例えば、HOYA社以外のレンズには累進長帯が12mmのものもありますが、12mmのものより11mmのほうがより小型のフレームに適しているということではありません。

    累進長帯を何mmで設計するかは各メーカーの設計思想によるものですので数字の大小にはとらわれないようにしましょう。

    レンズの累進長帯を決定する原則

    小型フレーム向けの短い累進長帯のレンズもレンズの屈折率などの品揃えごとに用意されていて、現在では予算や度数に応じた仕上がりを考慮して選べるようになっています。

    累進長帯の長さを決定する要素は、遠近両用メガネを作成する際に使用するフレームの天地幅(フレームの縦幅)を基準に選ぶことになります。

    意図的に累進長帯の短いタイプのレンズを使用したい場合は小型のフレームを選ぶ必要がありますし、一般的な累進長帯のレンズを使用したい場合は、小型のフレームでは推奨されません。

    これは各々の累進長帯に推奨されるフレームの天地幅などが決まっているためです。

    次の章では累進長帯ごとの特徴を比較しながら解説していきます。

    累進長帯14mmの遠近両用レンズの特徴

    累進長帯14mmの遠近両用レンズは「一般的なフレーム」向けのレンズとなります。

    販売店ではフレームの陳列はセルフレームのコーナーやリムレス(枠なし)のコーナーなど、ある程度区分けされている場合が多いですが、紳士物や婦人向けのフレームで遠近両用を作成する場合に使用される累進帯長となります。

    具体的には、フレームの天地幅が31mm以上(34mm以上推奨)ある場合、14mmの累進長帯の遠近両用レンズの中から選んで作成することになります。

    レンズの価格的にはもっとも安いものからオーダーメイドの高価格なレンズまでありますので予算に合わせた遠近両用の作成がしやすいです。

    近くの見え方に特徴がある

    累進帯長14mmの標準的な遠近両用レンズで手元を見る場合、自然と手元を見る姿勢ではレンズの近用部を通して見ることができない方が多いです。

    そのまま同じところを見たまま少しあごを上げることでレンズの近用部越しに見ることができるくらいで正解です。

    姿勢がよくなるようなイメージですが、あまりあごが引けませんので少し窮屈に感じてしまう方もいます。

    十分な近用視力が得られていても長時間の読書などには向かない方もいます。

    小型のフレームで作成した場合

    14mmの累進長帯のレンズを天地幅30mm以下のフレームで作成する場合、縦幅が足りなくなることで近用部がフレーム内に収まらずに加工時に削れてなくなることになります。

    肝心の手元が見えなくなるのは本末転倒ですので天地幅が30mm以下の場合は累進長帯の短い遠近両用のレンズで作成するべきです。

    累進長帯11mmの遠近両用レンズの特徴

    累進長帯11mmの遠近両用レンズは「小型フレーム」向けのレンズとなります。

    縦幅の少ない横長のフレームが流行したときにお客様のニーズに応えるかたちで登場したと記憶しています。

    推奨されるフレームの天地幅は25mm以上30mm以下です。

    削る前のレンズの外径が小さいので天地幅以外でも使用者の目の幅(瞳孔間距離)などでフレームの選択に制約がある場合もあります。

    商品のラインナップと価格について

    累進長帯11mmのレンズは現状遠近両用の標準的なレンズにはありませんので、一般的なメガネ販売店で購入される場合はレンズ代にある程度の予算が必要になります。

    広告商品などの遠近両用メガネでは11mmの累進長帯のレンズは選べない場合が多いです。(フレーム自体も天地幅31mm以上の紳士物、婦人物の場合が多い)

    ゆれ・ゆがみを抑えてあるのを売りにしているような遠近両用レンズになると、14mmと11mmのどちらも選べるようになっています。

    小さ目のフレームで遠近両用を作成したい場合は最低価格が上がることになります。

    手元にピントが合いやすい

    累進帯長が短くなることで遠くの度数から手元の度数までの距離が短くなりますので14mmのものに比べ比較的自然な姿勢のまま近い距離にピントが合わせやすくなります。

    逆な言い方をすると、少しの視線の移動でも大きく度数が変化することになりますので、14mmのものと比べると揺れやゆがみを感じやすくなるともいえます。

    強度数の方は小さ目フレームできれいに仕上がりやすくなる。

    近視の度数の強い方など、レンズの厚みが気になる方は小さ目のフレームを使用することでレンズの厚みを目立たなくすることができますので、累進長帯の短いレンズと併せて制作するのがおすすめです。

    理想的な遠近両用メガネの作成方法

    2種類の累進長帯のレンズを解説してきましたが、軽さやレンズの薄さといったメガネ本来の仕上がりも含めた形の理想的な遠近両用メガネの作成方法は、

    • 小型のフレームを選択してレンズの厚み・重量を抑える
    • 累進帯長の短いレンズで作成し手元も楽な姿勢で見ることができる

    ある程度レンズに予算が避ける場合はこの組み合わせが理想的であるといえます。

    例外もある

    累進長帯が短いレンズは14mmのレンズに比べると揺れゆがみを感じやすいので、初めて使用する場合の手元を見るために必要な加入度数は+1.50以下であるのが望ましいです。

    ※加入度数については別記事で詳しく説明しています。

    累進帯長と同じく遠近両用メガネを作る上で知っておきたい重要な項目ですので合わせてご覧ください。

    まとめ

    • 遠近両用には「累進帯長」呼ばれる規格がある
    • 累進帯長は一般的なものと小型フレーム用の2種類がある
    • 遠近両用レンズの累進長帯は使用するフレームの天地幅を基準に決定される
    • 小型フレーム+短い累進帯長のレンズが理想的ではあるが度数によっては揺れゆがみを感じやすくなる

    選んだフレームによって適切な累進長帯の遠近両用レンズが決定されることになりますので、あらかじめどちらの累進長帯のレンズになるか予算や仕上がりも含めた形で検討するようにしましょう。

     

     

  • 1分で理解できる|遠近両用メガネの使い方

    複雑な仕組みでできている遠近両用のレンズですが、ちょっとしたコツを知れば使い方は簡単です。

    購入店で的確な使い方を教わっていれば問題はないはずなんですが、すでに遠近両用メガネを使用している方の中にも使い方を理解せずに使用している方も販売店勤務時代には何人もお会いしてきたのが事実だったりします。

    補足的なことも説明していきますが基本的な使い方自体は1分もあれば理解していただけます。

    レンズの仕組みをおさらい

    progressive-lens01

    遠近両用のレンズはレンズの上の方に遠くが見える度数が施されています。

    そしてレンズの下の方に近くが見える度数が施されています。

    その間は各々の度数に近づくように緩やかに度数に変化がつけられていて、中間帯と呼ばれる室内などで必要な距離で視力が得られるような仕組みになっています。

    つまり、レンズの上部を通して見ると遠くが見え、レンズの下部を通して見ると近くが見えるということです。

    逆な言い方をすると

    レンズの上の方を通して見ても近い距離は見えません。

    レンズの下の方を通して見ると、30cm以上は離れれば離れるほどぼやけて見えることになります。

    1分でできる遠近両用の使い方|近くを見る

    まずは一番肝心な手元の見え方からいきましょう。

    新聞や雑誌、スマートフォンなどを用意してください。

    新聞の場合は大きく広げるのではなく、4つ折りないし2つ折りで見てみてください。

    遠近両用メガネで近くを見てみる

    メガネを使用して手元を見てみてください。

    見えましたでしょうか?

    いまひとつ鮮明に見えない場合、そのまま同じところを見たまま、ゆっくりとあごを上げてみてください。

    どうでしょうか。見えるようになったでしょうか。

    近くを見るための基本的な使い方はこれだけです。

    「同じところを見たままゆっくりあごを上げる」

    以上です。ゆっくりをあごを上げながら見ることで見え方も少しずつ鮮明になっていくのがわかりましたでしょうか。

    このように遠近両用メガネは任意の対象を見る際、同じところを見たままあごを上下させて見やすいところを探してあげる必要があります。

    今まで無意識的に見ていた姿勢(首の角度)で見えるとは限りません。

    自然と見える位置で見るようになる

    慣れるまではわずらわしく感じるかもしれませんが、生理的な「視界を得る」ことに対しては自然とパッと見える姿勢で見るようになってきます。

    それまでは必要に応じて意識的に見るようにしてあげましょう。

    上記の方法で手元が見えない場合

    いくつか原因が考えられます。

    • 度数が適切ではない(特に加入度数)
    • アイポイントと目の位置が適切でない(加工ミス・調整不足)
    • 目の旋回能力が低下している

    度数とアイポイントに関しては測定者、販売者側の問題ですので「近くが見づらい」旨を伝えて対応してもらうことになります。

    目の旋回能力に関しては近くが見づらくなるのと同じ老化現象の一つですので対処が難しい場合もあります。

    累進帯長の短い遠近両用レンズでの作成を検討してみるのも一つの手です。

    ※余談ですが、販売店での遠近両用の度数測定時、近くを見るための度数測定で問題なく視力が得られているのにも関わらず、遠近両用のテストレンズですと、うまく近くが見ることができない方もいらっしゃいます。

    その際の姿勢等を見ていると目の旋回能力が低下しているような印象を受ける方もいらっしゃいました。

    この場合、眼科での診察をお願いしました。

    加入度数、アイポイント、累進長帯に関しましては別記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

    1分でできる遠近両用の使い方|遠くを見る

    遠近両用メガネで遠くを見るのにはコツもなにもいりません。

    そのまままっすぐ前を見て良好な視界が得られていればOKです。

    遠くを見ながらあごを上げ下げしてみる

    手元を見るときと同じように遠くを見ながらあごを上下してみて見え方を確認してみましょう。

    あごを引いてみる

    遠くを見たままあごを引いてみましょう。

    それほど見え方は変わらないはずです。

    もし明らかに見え方がよくなるようであれば、近くが見えないときにも説明しました「アイポイントと目の位置が適切でない」可能性が高いです。

    本来のレンズの位置が目の位置に対して上になり過ぎています。

    充分な遠用視力が得られていませんので車の運転などで使用するには危険です。

    購入店で適切な処置をしてもらいましょう。

    あごを上げてみる

    遠くを見ながらあごを上げることでレンズのより下側越しに見ることになりますので見えづらくなるはずです。

    これは正常な見え方です。

    人間はより遠くを見る際、無意識的にあごが上がりますが、遠近両用メガネを使用している場合は見づらくなってしまいます。

    階段の上り下り

    遠近両用メガネの一つの欠点でもある足元の見え方も確認しておきましょう。

    試す際にも手すりにつかまるなど充分に注意して行ってください。

    足元の見え方について

    足元までの距離は身長によっても変わりますが、おおよそ1m50cm前後の距離となります。

    当然下を見ることになりますので遠近両用メガネを使用してみる場合、レンズの下部を通して見ることになります。

    完全な手元の度数越しの場合、ピントは3、40cmにあってしまいますので、1m50cmのところはぼやけて見えたり距離感がつかみにくかったりします。

    足元を見る場合は、いったんあごを引いてあげることで遠くの度数越しに見ることで距離感を失うことなく見ることができるようになります。

    下りの階段に注意

    下りの階段は特にあごを引くことで上体も前に向くことになりますので必ず手すりを利用するようにしましょう。

    まとめ

    • 同じところをみたままあごを上げて見る

    1分でできる内容ですが記事を読むのに数分はかかってしまうのはご愛嬌ということでご容赦くださいませ。

    記事中で加入度数やアイポイントなどの用語が出てきましたが、使用者側でも遠近両用の知識は持ったうえで使うのが理想的です。

     

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